東電・吉田氏:「非公開を」 生前の上申書、政府が公開
毎日新聞 2014年05月23日 22時05分(最終更新 05月23日 22時24分)
政府は23日、東京電力福島第1原発の事故発生時に所長だった吉田昌郎氏(故人)への政府の事故調査・検証委員会(政府事故調)の聴取結果について、吉田氏が自らの聴取結果を非公開とすることを求めた「上申書」を公開した。菅義偉官房長官は同日の記者会見で、上申書を根拠に吉田氏の証言内容を公開しない方針を強調した。
聴取結果は、朝日新聞が20日以降、内容を報じている。上申書は2012年5月29日付で、吉田氏が政府事故調へ提出した。吉田氏は「国会の事故調査委員会へ聴取結果を開示することは認める」とする一方、「国会事故調から第三者へ公表されることは望まない」としている。
吉田氏は、非公開の理由について「私の感情や感想を率直に表現したもので、誤解を生む危惧がある」「申し上げた内容があたかも事実のように一人歩きしないか、他の資料などに照らし合わせて取り扱っていただけるかという危惧も抱いている」と述べ、「資料が第三者に漏えいすることのないよう厳格に管理するとともに、調査後は国会から政府事故調へ返却することを希望する」と要望した。
吉田氏は11年7〜11月に政府事故調の聴取に応じたが、国会事故調の聴取には体調不良のため応じられなかった。【中西拓司】