B「そうだそうだ」
先生「こらぁお前らなにやっとるか」
A「ああ先生、ぼくらみんなに『C君には近寄るな、アホが伝染るぞ』って呼びかけてたんです」
先生「何言うとる、アホが伝染るわけないやろ。たしかにCには障碍があるけど、そんなんイジメやからすぐやめろ」
A「伝染らないって証拠はあるんですか」
B「万が一本当にアホが伝染したらどうするんですか。先生責任とってくれるんですか」
先生「本気で言うてるのか?」
A「でも伝染るって言うてる人もいっぱいいますよ」
B「アホからは『アホアホ光線』が出てて、それに当たると徐々にアホになっていくらしいですよ」
A「いえ、アホアホ光線が本当かはしりませんけど、知能指数が低い人間のまわりには知能指数が低い人間が増える統計もあるらしいですよ。C君の傍にいたら知能指数が下がっていく可能性は否定できないでしょ」
先生「その統計が本物かわからんし、仮に本当だとしてもそれは因果関係と相関関係をゴッチャにしてるやろ。そんなの理由にならん」
B「でも相関はあるし、なんか明らかになっていない理由でアホが伝染する可能性もあるでしょ」
先生「お前らなぁ……。だいたいCがああなったのは、車に跳ねられて頭を打ったからだろ。お前らも同じようになるかもしれんのに、イジメたりするな」
A「そうですよ、本当に悪いのは跳ねた車です。僕らは悪くないし責められる筋合いはありません」
B「だいたいC君の事故も最近みんなが話題にしなくなってきたし、このままでは風化しそうで、僕らも議論のきっかけになればと思って」