6回、ヘスス・ネリオ(左)を右ストレートでKOする村田諒太=島津アリーナ京都で(潟沼義樹撮影)
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◇ボクシング10回戦
村田、パワーで血祭り−。ロンドン五輪ボクシング男子ミドル級金メダリストの村田諒太(28)=三迫=がヘスス・ネリオ(25)=メキシコ=に6回2分35秒でKO勝ちした。プロ転向4戦目で初の10回戦に臨んだ村田は序盤から左右のボディー、右ストレートを主体に優位に立った。6回に最初のダウンを奪うと一気に攻め込み、右ストレートで仕留めた。昨年8月のプロデビュー後4戦全勝で、4連続KO勝ち。
圧勝だ。村田が予告通りに右ストレートでネリオを沈めた。
パワーの差は歴然。村田のパンチがドスンドスンと重量感を帯びた音を響かせるのに、ネリオはパスンパスン。ただ、上体をクネらせるいやらしいネリオに、なかなか決定打を与えることができなかった。
しかし、村田の与え続けたプレッシャーが確実にネリオにダメージを与え、スタミナを奪っていた。6回、くの字のネリオに右を当てて最初のダウン。立ち上がったところに、打ち下ろしの必殺の右ストレートでトドメを刺した。
「練習してきた右で倒せた。有言実行。練習してきたことが試合で出せるのは、自分でも強心臓だと思う」と自画自賛。
奈良県出身だが、京都は第二の故郷。母校・南京都高ボクシング部のOBや後輩らが大勢駆けつけた。「故郷に恩返しするつもりが、逆に恩をもらった。母校を胸に世界に羽ばたきたい」とキッパリ。恩師と慕う同校の元ボクシング部監督、故武元前川さんも眠る地だが「先生も見守ってくれている。明日、墓参りに行こうかな。何か言葉が降ってくるかも」としみじみつぶやいた。
プロモートを手掛ける帝拳ジム本田明彦会長は来年末、世界奪取の青写真を描く。村田はリング上から「五輪の金メダリストである以上、世界タイトルは義務」とあらためて世界取りを約束した。 (竹下陽二)
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