2014年05月23日

とりあえず有給休暇取ろうよ

 今日は、ツイッターが「#すき家ストライキ」のハッシュタグで湧いている。今のところ呼びかけ主体が不明なので、筆者自身は、多分、ストは起きないと思っているが、せっかくなので法律的に分析してみよう。

1 ストは労働組合に入ってやるのが王道
 ストライキは日本語で「同盟罷業」というが、労働組合を作らずに個人責任でやるのは勝手だ。しかし、それによって企業が損害を被ったときに、解雇されるだけでなく、損害賠償請求等をされる可能性もある。労働組合の素晴らしいところは
労働組合法
(損害賠償)
第八条  使用者は、同盟罷業その他の争議行為であつて正当なものによつて損害を受けたことの故をもつて、労働組合又はその組合員に対し賠償を請求することができない。

とされていて、労働組合も、その組合員も最初から免責されている(民事免責)ということだ。また、労働組合が行う正当なストライキは
労働組合法
(目的)
第一条  この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働組合を組織し、団結することを擁護すること並びに使用者と労働者との関係を規制する労働協約を締結するための団体交渉をすること及びその手続を助成することを目的とする。
2  刑法 (明治四十年法律第四十五号)第三十五条 の規定は、労働組合の団体交渉その他の行為であつて前項に掲げる目的を達成するためにした正当なものについて適用があるものとする。但し、いかなる場合においても、暴力の行使は、労働組合の正当な行為と解釈されてはならない。

とされていて、要するに、刑法の「正当行為」として刑事処罰を受けない(刑事免責)。もちろん、物をぶっ壊したりしたらダメだよ。
 個人加盟労組に明日加入して、明後日ストライキをやっても、組合員の多数決で適法にストライキ権が確立されている限りは問題ない。首都圏青年ユニオンが相談を呼びかけていた。


 もちろん、パート、アルバイト労働者にも労働組合に加入する権利はあるし、現に、東京メトロの“売店のおばちゃん”たちが勇気を持ってストを打った事例が直近の時期にある。→「東部労組メーデー メトロコマース支部ストライキ闘争!」(労働相談センター・スタッフ日記)
 何事も成功体験が必要だ。今なら、かつてプロ野球選手たちがストライキを構えて世論の支持を得たように、支持を得られるのではないだろうか(あのときの古田敦也選手は格好良かったなあ。敵地でも打席に断つと歓声が沸いたりして。)。

2 ストは無理でも有給休暇くらいとったら?
 まあしかし、このエントリを読んだ多くの読者は「でも自分はそこまで・・・」と思っただろう。そういう人は、とりあえず、有給休暇の申請をしてみたらどうだろう。「え?アルバイトに有休とかあるの?」って思ったあなた。あります。厚生労働省のお墨付きです。詳しくはこちら→「年次有給休暇とはどのような制度ですか。パートタイム労働者でも有給があると聞きましたが、本当ですか。」
 読んで貰えば分かるが、週1のシフト勤務のアルバイト労働者でも、半年間働き続ければ、有給休暇が付与される。1年間の所定労働日数が48日以上なら1日、73日以上なら3日も有給休暇を貰える。所定労働日数、週の労働日数は半年働き続けて有給休暇が付与された時点での実績から判断するようだ(こちらを参照。PDFなので注意。)。
予定されている所定労働日数を算出し難い場合には、基準日直前の実績を考慮して所定労働日数を算出することとして差し支えありません。したがって、この場合には、雇い入れの日から起算して6か月経過後に付与される年次有給休暇の日数について、過去6か月の労働日の実績を2倍したものを「1年間の所定労働日数」とみなして判断して差し支えありません。

 そして、有給休暇をいつ申請するかは労働者の自由であるのが大原則だ。休暇を取る目的を告げる必要もなく、一方的に連絡するだけで良い。店長が無視するときは、コンビニからFAXで「○月○日は有給休暇を取得します。山田太郎」と送っても良い。この場合、送信レポートを残しておいた方がよい。
 そして労働基準法には
労働基準法附則
第百三十六条  使用者は、第三十九条第一項から第四項までの規定による有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利益な取扱いをしないようにしなければならない。

という規定があり、有休休暇を取ったことをもって不利益取扱をしてはならない。有給を取って嫌がらせをしてくるような職場なら、慰謝料請求するとか、一層のこと辞めてしまうのも、昨今の情勢を考えれば一つの手だろう。

3 使用者が時季変更権を行使してきたら
 しかし、アルバイトとはいえ、一度に大量の有休申請が出て、他店からヘルプが来ても回らないような状態になれば、使用者が「時季変更権」を行使することもあり得る。時季変更権が適法に行使されれば、その日自体は有休を取れないことになる(ただし他の日に取ってよい)。しかし、時季変更権の行使をするならその旨の文書を要求しよう。口で言った言わないは禍根を残すことになる。そして、一部上場の大手企業が、アルバイトの有休申請くらいで時季変更権を行使してきたら、その文書をネットで晒してあげればいいんじゃないかしら。
posted by ナベテル at 21:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 未分類 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/397733255

この記事へのトラックバック