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北日本「低温」7月全国的に「多雨」
5月23日 17時15分

北日本「低温」7月全国的に「多雨」
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気象庁の長期予報によりますと、この夏はエルニーニョ現象の影響で、北日本では気温が低くなって「冷夏」となるおそれがあり、梅雨の後半に当たる7月は、ほぼ全国的に雨量が多くなると予想されています。

気象庁が23日に発表した3か月予報によりますと、来月以降、南米・ペルー沖の海面水温が高くなるエルニーニョ現象が発生する可能性が高く、この影響で、日本付近ではこの夏、太平洋高気圧の北への張り出しが平年より弱い見込みです。
気温は、来月は全国的にほぼ平年並みと予想されていますが、7月と8月は、北日本で平年並みか平年より低くなり、「冷夏」になるおそれがあるということです。
東日本は7月、8月ともにほぼ平年並み、西日本は、7月がほぼ平年並みで、8月が平年並みか平年より高くなり、沖縄・奄美は7月、8月とも、平年並みか平年より高くなると予想されています。
また、高気圧の張り出しが弱いため、各地で平年より梅雨明けも遅くなり、雨量が多くなる可能性があります。
雨の量は、来月は北日本と沖縄・奄美でほぼ平年並み、西日本と東日本で平年並みか、平年より少ないと予想されていますが、梅雨の後半に当たる7月は、北日本と東日本、それに西日本で平年並みか、平年より多くなると予想され、北日本では、8月も平年並みか多いという予想となっています。
気象庁の藤川典久予報官は「梅雨の終わりは大雨になりやすい時期だが、ことしはそういう状態が長く続く可能性があるので注意が必要だ。北日本では最新の情報に気をつけて農作物などの管理に注意してほしい」と話しています。

「エルニーニョ現象の夏は」

「エルニーニョ現象」は、太平洋の東側、南米・ペルー沖の赤道付近の海面水温が平年より高くなる現象で、世界の天候に大きな影響を及ぼします。
北半球の夏の時期にエルニーニョ現象が発生すると、日本付近では太平洋高気圧の張り出しが弱くなるため、北日本から西日本では気温が平年より低くなって「冷夏」になりやすいことが知られています。
地域によっては雨の日が多くなって日照時間が少なくなり、天候が不順な夏になる傾向があります。前回、エルニーニョ現象が発生したのは5年前、平成21年の夏で、北日本と東日本、それに西日本ではこの10年間で気温が最も低くなったほか、日照時間も平年の8割前後にとどまりました。
この年の7月後半に発生したのが、「平成21年7月中国・九州北部豪雨」です。
西日本で梅雨前線の活動が活発になり、九州北部や山口県を中心に8日間の雨量が500ミリから700ミリに達する大雨となりました。
各地で1万棟を超える住宅が水につかったほか、山口県防府市では大規模な土石流が発生して老人施設が被災するなど、山口県と福岡県を中心に合わせて36人が死亡しました。
この年は各地で梅雨明けが遅く、東北と北陸、それに中国地方では気象庁が梅雨明けの時期を特定できませんでした。
梅雨の時期の大雨はさまざまな要因が重なって発生しますが、エルニーニョ現象の影響があるときには高気圧の張り出しが弱いために前線が日本付近にとどまりやすく、日本海側などで平年より雨量が多くなる傾向があります。
気象庁は「梅雨の後半には地元の気象台からの最新の情報に注意してほしい」と話しています。

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