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政治
【歴史戦 第2部 慰安婦問題の原点(3)後半】当事者も否定した「日本軍連行」報道、日本外交歪めた元朝日記者、今も沈黙
平成4年1月16日からの首相、宮沢喜一の韓国訪問直前のことだった。
「朝日新聞が、慰安婦問題で政府の関与を示す資料を中央大教授、吉見義明が発見したと報じたことで、政府内は蜂の巣をつついたような大騒ぎとなった」
慰安婦募集の強制性を認めた翌5年8月の官房長官、河野洋平の談話作成に関わった内閣外政審議室の元幹部はこう振り返る。そして「一連の流れをみると意図的な動きを感じる」と付け加えた。一連の流れとは、次のようなものだ。
3年12月に、韓国の民間団体「太平洋戦争犠牲者遺族会」を母体とし、弁護士の高木健一、福島瑞穂(社民党前党首)らが弁護人となって韓国人元慰安婦、金学順らが日本政府を相手取り損害賠償訴訟を起こす。
朝日新聞はそれに先立つ同年8月11日付朝刊(大阪版)の植村隆の署名記事「元朝鮮人慰安婦 戦後半世紀重い口を開く」で、こう書いていた。
「日中戦争や第二次大戦の際、『女子挺身隊』の名で戦場に連行され、日本軍人相手に売春行為を強いられた『朝鮮人従軍慰安婦』のうち、一人がソウル市内に生存していることがわかり、(中略)体験をひた隠しにしてきた彼女らの重い口が、戦後半世紀近く経って、やっと開き始めた」
大きな反響を呼んだ記事ではこの女性は匿名となっているが、実は金学順だった。金が女子挺身隊の名で連行された事実はない。裁判の訴状で金は「キーセン(朝鮮半島の芸(げい)妓(ぎ)・娼婦)学校に3年通った後、養父に連れられて中国に渡った」と述べている。
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