仕事をする上で最も重要視しているのは「ワークライフバランス」、ライフスタイルにあわせて働くための最大の阻害要因は「経営者の意識」――。ヴイエムウェアが5月20日に発表した「モバイルワークと仕事・働き方に関する実態・意識調査」の結果から明らかになっている。
同社は、4月17~23日にウェブマガジン「WIRED」に委託してネット上で調査。回答者は日本国内に住む534人。職業別では、有職者451人、学生49人、その他34人。有職者を年齢別に見ると、10代が3人、20代が107人、30代が137人、40代以上が204人となる。40代が最も多く、30代以上が全体の6割超という構成だ。
5月20日に開いたプレス向けセミナーには、ヴイエムウェア代表取締役社長の三木泰雄氏と、WIRED編集長の若林恵氏、テレワークマネジメント代表取締役社長の田澤由利氏らが参加した。場所はタリーズコーヒー表参道ヒルズ店。三木氏と若林氏以外はウェブ会議システムを使ってリモートから参加する趣向で「ITを活用した多様な働き方」について意見を交わした。
「仕事をする上で一番重要視する要素は何ですか」という質問に対する回答として「ワークライフバランス」を挙げた回答が43.4%と突出して多かった。2位は「給与」の16.9%で、3位は「キャリア構築」の13.5%。以下、「社会貢献」9.6%、「仕事に活用できるテクノロジの種類」4.7%、「仲間意識」3.7%、「所属先ブランド」1.9%、「出世」0.4%と続く。
ワークライフバランスを最重要視すると回答した比率は、特に女性の間では60.8%を占めるなど特に高く、2位の「給与」11.4%との差も男性より大きかった。
「プライベート(家事・育児・介護などを含む)と仕事をうまく両立できていると思いますか」との質問には、「とてもそう思う」との回答は18.9%、「ややそう思う」は48.3%、「あまりそう思わない」は24.9%、「まったくそう思わない」は7.9%となった。「うまく両立できていない」が30%強あり、「とてもそう思う」も18.9%にとどまっていることから、調査では「理想と現実には依然として乖離がある」としている。
「個々人のライフスタイルにあわせて働くために、欠けているのは何だと思いますか」との質問に対する回答は、「経営者の意識」が40.3%となり、2位の「職場以外の就業環境」の15.7%を大きく引き離した。3位以下は「働く人の意見」15.0%、「法整備」12.4%、「ITツール」7.7%、「その他」9.0%だった。
このほか、「現在の日本の社会の働きかたは生産性が低いと思いますか」との質問には81.9%が「低いと思う(とてもそう思う46.3%、ややそう思う35.6%)」と回答。「好きな場所・時間に自由に仕事ができる業界・業種を選びたいと思いますか」との質問には、82%が「そう思う(とてもそう思う45.3%、ややそう思う36.7%)」と回答した。
こうしたことから、調査では「現在の職場環境は必ずしもライフスタイルの実現や自己実現には最適化されているとは言えず、今後はライフスタイルの実現や自己実現を念頭に置いた職場環境の整備がより一層求められる」とした。
調査結果を受け、三木氏は「2013年も調査したが、世界と日本のギャップが大きくなっているように感じた」と指摘。2013年の調査でも、7割の企業が会社からのPC持ち出しを制限していたことが判明している。PCを持ち出しできなければ、会社のPCを使ってモバイルワークや自宅でのテレワークなどを行うことは困難になる。
ワークライフバランスがこれだけ求められていながら、今回の調査でも、やはり7割の企業でPCの持ち出しが制限されていた状況が分かっている。私物端末の業務利用(BYOD)やワークライフバランスへの対応を積極的に進める海外企業と比較すると、ギャップが広がったことは否めないという。
「VMware自身もワークライフバランスが大事だと常に言っている。その理由の1つは、仕事ばかりやっていても、いい仕事にはならないという発想があるため。もう1つは、できるだけ長く会社にとどまってほしいため。米国では転職という選択肢が普通であり、いい人材を確保し続けるための働きやすい職場づくりに積極的だ」(三木氏)
三木氏はヴイエムウェアがアジア太平洋地域で実施した調査にも触れながら、「アジア太平洋の他の国々では、職業人の平均的な世代がデジタルネイティブと呼ばれる、IT活用に長けたミレニアル世代(1980~2000年代初頭生まれ)に移行しており、日本でも同様の傾向に進むと予測される。特に、日本は少子高齢化でモバイルワークなど多様な働き方が求められており、今まで以上に社員のニーズや可能性を意識した社員のためのIT導入が必要になる」と指摘した。
ヴイエムウェアは1月23日~2月23日にアジア太平洋14の国と地域で調査した(「VMware Consumer Study 2014 Regional Report」)。それによると、「社外で仕事をすることがあるか」については、日本が17%にとどまったのに対し、ベトナムは60%、中国は53%、タイは52%だった。また「通勤時にBYODで仕事をすることがありますか」については、日本は37%だったのに対し、ベトナムは97%、中国は93%、インドは93%となった。
「今はPCだけでなく、さまざまな機器を使って仕事ができる。たとえば、Teslaの電気自動車には17インチのモニタが備わっている。それを使えば車内も立派な仕事場になる。これからいろいろな端末が登場し、いろいろなことができる環境が整ってくるだろう。今からフレキシブルなIT環境を整えていかなければならないと思う」
IT整備のポイントとしては、これまでのようなサーバ(ホスト)とクライアントといった1対1のネットワークではなく、PCとクラウド、モバイルアプリと社内サーバなど、“n対n”でつなぐネットワークになってきたことだという。
どの端末からログインしても1人のユーザーとして識別する必要があり、また、それに応じたセキュリティ設定が必要になる。「これまでとは違う基盤を整えるつもりでないと、取り組もうと思ったときにインフラがついてこない」とアドバイスした。
もっとも、三木氏によると、ツールとしてのITはすでに提供されており、取り組もうと思えば取り組める環境にもある。「新入社員で入って一生そこに務める時代ではない。ワークライフバランスを大事だと考える人が増えていることを踏まえ、企業はそこに取り組んでいくことが大切だ」という。モバイルワークやテレワークにしても、実際に課題となるのはITの整備というより、体制づくりや意識づくりの方だと指摘した。
「外資系企業では、直属の上司はシンガポールやシドニーにいるといったケースは少なくない。そうした体制でどう人材をマネジメントしているかというと、マネージャーは部下に対して『何がミッションか』『どう評価するか』といったことをきっちり決めている。日本の会社は少しそこが少し曖昧だと感じる。毎日顔を合わせているから雰囲気でわかってしまう。相手が直接見えない中で仕事をするということは、そうしたマネジメントの仕組みをきっちり作るということだと思う」(同氏)
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