まずは天守・石垣で学ぼう!お城の基礎知識と楽しみ方
記事作成日:2014/05/23 1:33:35 │ 最終更新日:2014/05/23 14:37:05
「日本のマチュピチュ」と言われる兵庫県竹田城跡や2014年NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」に登場する姫路城など、今お城が注目されています。
お城ってなんとなくわかってるつもりでも、詳しいことはよく分からない…そんな人も多いのではないでしょうか。
ここでは、まずは知っておきたい天守と石垣の基礎知識をご案内します。これを知っておけばお城を見るのがきっと楽しくなるはず!
間違いやすい基礎知識「お城=天守閣?」
お城とは何ぞや?それはずばり「軍事目的に作られた防御施設」です。
その始まりは皆様のイメージであるお城とは少し違っているかもしれません。それは「戦闘用に村の周りに柵をつくった砦(とりで)」なんです。そんなものがお城?と思う人もいるかと思いますが、それもお城とされています。皆様がお城にもつイメージである「天守がどーーんとそびえるお城」は、安土桃山時代以降に建てられたものが多く、お城の長い歴史の中ではその数はわずかなんです。
ではまずこの天守からご案内しましょう。
お城の中で最も象徴的な建造物と言える「天守」は、昔「天主」「殿守」「殿守」(いずれも「てんしゅ」と読む)などと表記され、城主が居住する御殿の上に物見の台をつくったのが起源と言われます。大きく豪華な天守が初めてた建てられたのは、諸説ありますが1579年(天正7)に完成した織田信長の安土城(滋賀県近江八幡市)と言われています。織田信長は自分の権力を知らしめるために天守をつくったと言われていて、そのことからその後つくられた天守は「権力の象徴」の意味も持つそうです。
間違いやすいのが、「お城=天守」と思っている人が多いこと。天守はお城の中のいち建造物であり、お城の総称ではありませんのでご注意を。
ちなみに天守はよく「天守閣」と呼ばれますが、これは明治以降に呼ばれるようになった名前で、建築用語などでも使われる正式名称は「天守」です。
知っておきたい基礎知識「お殿様は天守に住んでいた?」
先ほども少しお話しましたが、お城=天守というイメージが強いため、天守に城主が住んでいたと思われがちですが、これについては天守の歴史を知ると分かりやすいかと思います。
安土桃山時代から全国で造られた天守は、城主が住む御殿の上に物見の為の望楼(ぼうろう)を建てていました。これを望楼型天守(ぼうろうがたてんしゅ)と言います。この天守では城主は天守一部である御殿に住んでいますが、望楼では生活はしません。この形の天守の例としては犬山城・丸岡城などが該当します。
しかし、御殿の上に建てる望楼は、構造上高く建てることが出来なかったため、江戸時代の頃から下層からしっかりと設計された層塔型(そうとうがた)と言われる天守が建てられるようになりました。名古屋城・大阪城などの天守がそれに当たります。
そうなると、当時はエレベーターもない時代。重層の天守で生活するのは難しく、城主は天守とは別に城内に建てた御殿に住むようになりました。なので江戸時代以降は城主は天守では生活していなかったと言えます。
自分の足で登った時にここに住めるかな…という視点で見てみるのも良いかもしれません。急な階段に低い天井、ここで生活はできないなあと多くの方が感じるのではないでしょうか。
知っておきたい基礎知識「黒い天守と白い天守」
天守の色は大きく分けて黒色のものと白色のものが存在します。
これにも諸説ありますが、一般的に、黒色の天守は「豊臣系」、白色は「徳川系」と言われます。
「豊臣系」は、豊臣秀吉の築いた大阪城天守が黒漆(くろうるし)の板張りだったため、各地の大名がこれを真似たのでそう呼ばれいると言われています。黒い天守で有名なのは熊本城・松江城など。
「徳川系」は、関ヶ原の戦いの後に防火に優れた白漆喰(しろしっくい)の壁が開発され、それを徳川家が推奨した為、以降この白漆喰を使った白い天守が建てられるようになったことにちなみます。白い天守で知られているのは姫路城・宇和島城など。
下の写真は、いわゆる「豊臣系」の熊本城天守です。
知っておきた基礎知識「様々な造りの天守」
一言で「天守」と言っても、いろんな天守のかたちがあります。
まず分かりやすいのが「独立式天守」。
名前の通り天守が独立して建っているものです。これは先ほど案内した「層塔型(そうとうがた)」のものに多く見られるかたちです。独立式天守で有名なお城は大阪城・宇和島城・丸山城などがあります。
その他松山城・岡山城などの天守「複合式天守」など、種類は数多く存在しますが、その中で最も防備が厳重に造りあげられているのが「連立式天守」です。
一見、天守が他の建物とくっついていて「天守のイメージと違う…」「なんだか変な構造だな」と見た方は感じるかもしれません。構造としては天守に小天守または隅櫓(隅櫓)、渡櫓(わたりやぐら)、櫓門(やぐらもん)など、天守と櫓群がつながっているものです。姫路城・和歌山城・松山城などがその構造となっています。
こちらもお城を訪れる際は是非注目してみてほしいポイントです。
下の写真は連立天守の和歌山城天守。天守に小天守や櫓・門が多聞で繋がっています。
知っておきたい基礎知識「現存12天守」
お城はなぜ少なくなってしまったのか。それは江戸幕府の一国一城令・武家諸法度・明治政府の廃城令・焼失などが主な理由と言われています。
1940年代までに残っていた天守は20。当時全てが文化財に指定されていましたが、第二次世界大戦の空襲などで名古屋城・和歌山城・広島城など、20のうち7城の天守が焼失してしまいました。残った12天守はいずれも現在国宝・重要文化財に指定され、修復されながらもその姿を見ることが出来ます。そのうち姫路城は城全体が世界遺産にも指定されています。
■現存12天守
国宝天守…松本城(長野県)・犬山城(愛知県)・彦根城(滋賀県)・姫路城(兵庫県)
重要文化財天守…宇和島城(愛媛県)・松山城(愛媛県)・丸亀城(香川県)・備中松山城(岡山県)・松江城(島根県)・丸岡城(福井県)・弘前城(青森県)
何も見ずに全部言えたらかっこいい!かも?
知っておきたい基礎知識「石垣の役割」
では次に天守と共にお城に良く見られる、石垣の基礎知識をご紹介しましょう。
名前やなんとなくの記憶から「石で組まれた壁でしょ」と考えるかと思いますが、まさにその通りです。
「石垣」というとお城の石垣が思い浮かぶかもしれませんが、広い意味で言うと古墳時代の石室の壁、沖縄などで見られる家屋の周りに建てる台風から守るものなども石垣です。それぞれに役割があるのですが、城における石垣の役割は「建物の基礎」「城の防御」でした。
知っておきたい基礎知識「石垣の積み方いろいろ」
複数の城を見たことがある人は気付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、石垣には複数の種類があります。
歴史の古い順にお話しすると…
■野面積み(のづらづみ)
自然の石をほぼ加工せずに積み上げたもの。あまり高く積み上げることが出来ず、敵からすると登りやすい石垣だったと言われています。耐年性に難ありとされていますが、浜松城など今も見ることが出来る石垣が残っていることから、単に石を積み上げただけではなく、それなりの技術が必要であったことがうかがえます。
野面積みを見ることが出来るお城は浜松城・岡崎城など。
■打込はぎ(うちこみはぎ)
戦国時代から良く見られるようになる石垣。石の一部分を平らに加工して出来るだけ石の隙間を少なくし、隙間に間石(あいいし)をかませて積み上げる方法です。隙間が少ない分、野面積みよりも敵は登りにくかったと言われています。「扇の勾配(おおぎのこうばい)」と言われる美しいカーブも特徴です。
打込はぎで有名なのは熊本城・丸亀城など。
■切込はぎ(きりこみはぎ)
切込はぎは石と石の間に隙間の無い石垣。石を組む場所に合わせて加工され、石全体を組込む場所に合わせて加工。打込はぎよりも高く積むことが出来る他、見た目の美しさも合わせ持ちます。主に江戸時代以降に築城したものに多い。
これは江戸城・大阪城で見られます。
こちらも是非お城を見る際に注目してほしいポイントです。
下の写真は立派な石垣が有名な丸亀城。丸亀城の石垣のほとんどは打込はぎです。
知っておきたい基礎知識「ちょっと変わった石に注目!」
では次に、ちょっと変わった石垣の石を2種類ご紹介します。
まずは丸や三角などの模様が刻まれている石。この石が見られるお城は名古屋城・大阪城など。江戸時代の天下普請(てんかぶしん)で諸大名が築城を命じられた際の遺構と言われています。
ひとつのお城の築城に複数の大名が協力をしていため、自分の運んできた石がどれか分かるように、また自分の担当場所はここからここまで…と分からせるための境界線にしていたそうです。これにも諸説あり全てそれが理由ではないと言われていますが、刻印のある石は宝探しのようです。有名な場所には案内板が立っている場合もありますが、それ以外の場所でも探してみるとおもしろいです。
次は転用石(てんようせき)という名の石。これは上記のお城だけではなく全国各地のお城にあります。どんなものかというと、築城の際に石が足りず、急きょ周辺にあったものを石垣に組み込んだと言われているもので、墓石・石臼・石仏・燈籠など種類は様々。石不足という理由のほかに、敵の武将の墓石を石垣に組んで権力を示した、という説もあります。
転用石が多い城として有名なのが福知山城・大和郡山城。福知山城には約500も転用石があるそうです。こちらもいろんなお城で探してみてください。
謎だらけのお城には魅力がいっぱい!
以上、天守と石垣の基礎知識をご案内しました。
歴史もそうですがお城にも謎が沢山あり、今一般的な説と言われているものも、実は真実ではないかもしてません。
でもそこがまたお城の良いところ。お城の知識を備えて是非出かけてみましょう。
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奈良山 鹿子
元観光バスガイド
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