脱原発、京都から訴え 関電前デモ100回
脱原発を求める市民が毎週金曜夕に京都市下京区の関西電力京都支店前で続けている抗議デモ(キンカン行動)がきょう23日、100回目を迎える。福井地裁が大飯原発3、4号機の再稼働を認めない判決を出したが、原発問題への関心は東日本大震災以降、揺らいできた。デモ参加者数はピークを過ぎたものの、今も毎回100人を超える人が声を上げている。
抗議デモは2012年6月29日、市民団体などの呼びかけで始まった。関西電力大飯原発3、4号機が再稼働した直後の8月末に、参加者が700人に達したのがピークだった。京都でこれほど定期的なデモが続くのは異例。主催者はいないが、一人一人がさまざまな思いを胸に街頭に立つ。
「サァ 原発いらない 命が大事」。川口真由美さん(39)=宇治市=は、沖縄民謡の調べに自作の反原発の替え歌を乗せて新町通を進む。キンカン行動にはギターや太鼓を手に参加している。
昔ながらのデモのように主張を声高に叫ぶスタイルでは、無関心層は振り向いてくれない。回数を重ねるにつれ、常連メンバーが似たようなシュプレヒコールを繰り返し、パターン化していると感じる。参加した友人から「新しい人は入りづらいよね」と聞いた。
何とかしたいと模索する。歌もその一つ。「反原発の声が小さくなってはいけない」。
初回から欠かさず参加している会社員藤井悦子さん(49)=京都市中京区=は毎回マイクを持参し、シュプレヒコールの先導役を担ってきた。道行く人に「おまえら電気を使うなと言ってるのか」と迫られたり、マイクを無理やり取り上げられそうになったりしたことも。大阪でデモ参加者が逮捕されたニュースを聞くと怖くなった。それでも「原発反対と言いながら通り過ぎる学生がいる」と、じかの反応が支えという。
大学院生の小野力さん(28)=上京区=は「決して好きでやっているわけじゃない」と強調する。福島で東京のために発電し、事故で福島が傷つく構図がどうにも納得できない。21日に福井地裁が大飯原発の差し止めを命じる判決を出した。小野さんは「勇気づけられた。みんなで声を上げ続けたい」といい、100回目のデモにも足を運ぶ。
【 2014年05月22日 23時00分 】