太田航
2014年5月22日16時27分
大飯原発3、4号機運転差し止め訴訟の舞台は高裁に移ることになった。過去には上級審での審理が長期化したケースも多く、司法判断が確定しないまま再稼働に向けた適合審査が並行する状態が続きそうだ。
今回と同様、一審・金沢地裁判決(2006年3月)で運転差し止めが命じられた北陸電力志賀原発2号機の訴訟は、控訴審の名古屋高裁金沢支部での審理に3年を要した。同年9月に改定された国の耐震指針との適合性や、07年3月に発生した能登半島地震の原発施設への影響、同月に発覚した志賀原発1号機の臨界事故隠しなどについても双方が新たな主張・立証を展開。09年3月に同支部が住民側逆転敗訴判決を言い渡した。最高裁で住民側敗訴が確定したのは10年10月だった。
福井地裁の審理は、12年11月の提訴から1年6カ月で判決に至った。だが、これは争点を絞り込んで迅速に審理した樋口英明裁判長の訴訟指揮によるところが大きく、控訴審での進行は不透明だ。(太田航)
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