なぜ戸越銀座ばかりがテレビに取り上げられるのか? 日本で一番テレビに露出する商店街の「話題」と「評判」のつくり方(後編)

2014年05月22日(木) 山田 まさる
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戸越銀座コロッケ「コロッケパン」かたばみ精肉店、「おでんコロッケ」後藤蒲鉾店

「食べ歩き」が楽しい戸越銀座商店街

山田: なるほど、その次はどんな仕掛けを?

亀井: 次が「戸越銀座コロッケのプロモーション」です。昔から戸越銀座のお肉屋さんがつくるコロッケは評価が高く人気がありました。

山田: 確かに、コロッケもメンチもおいしい店が多いです!

亀井: せっかくおいしいコロッケがあるのだから、これを活用して戸越銀座に来ていただこう。もっと楽しんでもらおうと『戸越銀座コロッケ』と銘打ったわけです。

山田: いろんなコロッケありますよね。「おでんコロッケ」「フォアグラコロッケ」「餃子コロッケ」とかね。

亀井: とくに決まったレシピや決まり事はありません。それぞれのお店が、それぞれの個性を生かしたコロッケをつくっています。始めはお肉屋さんや惣菜店の7店舗から始まりましたが、少しずつ参加店も増えて、今では飲食店も含め21店舗が独自の個性あふれるコロッケを販売しています。

山田: 銀次郎もコロッケも、いまや戸越銀座の"看板"になってますよね。あと、戸越銀座は「食べ歩き」が楽しい!

亀井: そうなんです。商店街によっては、食べ歩きを嫌がるところもあるようですが、戸越銀座では、外から来たお客様には、マナーさえ守っていただければ、買ったその場でわいわい食べていただく。その方が楽しいですよね。

オープンカフェ!?「焼き小龍包」の龍輝

山田: それが、戸越銀座流のオープンカフェ方式につながっているんですね!

亀井: そうなんです。商店街は、地元の馴染みのお客様への対応にはなれていますが、外からのお客様にどう楽しんでもらうのかという視点が弱い。それで観光地にも勉強に行きました。

テレビで取り上げられたら、その番組の画面を大きく店先に張り出した方がいいよ、とアドバイスもします。店先で食べてもらって、賑わっていると、通りかかったお客様も、私も食べてみようかって気になります。待っているだけじゃなく、主張しないとチャンスロスになるし、外からのお客様には不親切でもあると思います。

山田: 私は勝手に「戸越銀座のオープンカフェ」って呼んでますが、最近は本当にオープンカフェ方式を取り入れているお店が増えましたよね。

そうだ。魚慶(うおけい)(戸越銀座では有名な鮮魚店)さんの名物の「お刺身バイキング」(土曜日限定のサービス)が、香取くんの「おじゃマップ」(フジテレビ)で取り上げられましたよね。

この前、GW中にのぞいてみたら、「お刺身バイキング」を無線マイクをつけて、声が店の外に聞こえるようしてやってました。しかも、店の脇に椅子とテーブル出してオープンカフェも始めてる。若い女性二人組とカップルが、昼間から缶ビールを持ち込んで、刺身でいっぱいやってたんですよ。ここは一体、どこなんだ? なんか、アジアの観光地みたいになってて、凄いなと(笑)。

亀井: そうなんです(笑)。ワインを買って、食べ歩いているカップルもいますよ。最低限のマナーさえ守っていただければ、どんどん楽しんでいただきたいです。

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