そもそも戸越銀座商店街をご存じではない皆さんもいらっしゃると思いますので、プロフィールを簡単にご紹介します。
戸越銀座商店街は、東京都品川区にあり、東急池上線の戸越銀座駅を挟んで東西1.3キロにわたって続く東京イチ長い商店街です。戸越銀座商栄会商店街、戸越銀座商店街、戸越銀座銀六商店街の3つの振興組合から構成され、通りには約400軒の店舗が軒を連ねています。最大の特徴はその長さなのですが、元々は3つの別々の商店街で、いまから10数年前までは、「戸越銀座商店街」として一つにはまとまっていなかったようです。
「商店街」テレビ露出の傾向と対策
さて、戸越銀座商店街のテレビ露出の内容を詳しく見ていくと、大きく3つのタイプに分かれます。これは世の中の「商店街」のテレビ露出の傾向とも言えます。
1)情報バラエティ番組の街歩き・グルメ企画
「おじゃマップ」(フジテレビ)や「SmaSTATION!」(テレビ朝日)の2013年6月1日の「明日わざわざ行きたい!東京の商店街ベスト7」などがその典型です。週一の情報バラエティ番組の企画で紹介されるケースは、ズバリ!商店街の特集や街歩きなので、尺(放送時間)も長く、インパクト(放映後の反響)も大きい。
2)昼、夕方の情報&報道系の帯番組でテーマ別企画の中での取材先
毎日の帯番組で、例えば「から揚げビジネス最前線」(「スーパーニュース」フジテレビ)とか、「2つの顔をもつラーメン店特集」(「newsevery.」日本テレビ)などで、特定のテーマの中で商店街の人気店が紹介されるケース。
戸越銀座の場合、この1年の間に「東京・戸越銀座商店街の"秘密戦略"」(「スーパーニュース」フジテレビ2013年5月)など、戸越銀座商店街そのものをテーマにした企画で大きく取り上げた番組が複数ありました。
3)最後に、おなじみの街頭インタビュー
「消費税アップ」「猛暑日」「STAP細胞」などなど、なにかにつけて、国民の声を拾いにいくという習性が報道番組にはあります。サラリーマンの声は新橋駅前、主婦の声は戸越銀座か武蔵小山の商店街、高齢者なら巣鴨地蔵通りというパターンができあがっています。
街頭インタビューでの露出には商店街としてのメリットはそれほどではないでしょう。ただし、認知度アップやイメージ醸成という視点と、テレビ局との関係づくりという点では、バカにできないので "○○商店街"とはっきり露出されているものはカウントしました。
昨年から今年にかけて、戸越銀座を含めた都内の人気商店街の露出件数が増えています。その理由を私はこう分析します。
1)の露出が増えている背景には地方ロケや海外ロケの減少があると思われます。特に人気タレントが絡むと、スタイリストやヘアメイクなど、ロケスタッフの人数と規模が膨れ上がります。そういう大規模な地方ロケや海外ロケに比べて、戸越(都内)での撮影となれば、制作費は文字通り"桁違い"に安くあがるでしょう。しかも、そこそこの視聴率がとれるなら、こんなにいいことはないわけです。
2)のグルメ系企画は、夕方の報道系情報番組では視聴率がとれる"鉄板企画"だと言われています。このタイプでの露出が多いのが戸越銀座の特徴とも言えます。この点は後ほど詳しく紹介します。
3)は基本的に「変わらず」ですが、この春に関しては消費税増税ネタが街頭インタビューの件数を底上げしたことは確実でしょう。
ちなみに、戸越銀座には、年間200本以上の取材が入り、毎日5~6本の問い合わせ電話やメールがテレビ局などから入ってくるそうです。ここでの協力関係が、1)2)の露出につながっているところもあるのではないでしょうか。
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