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2010年3月に惜しまれつつ解散したゆらゆら帝国のフロントマンであり、2011年よりソロ活動を展開している坂本慎太郎。5月28日にリリースするソロ2ndアルバム『ナマで踊ろう』は、「人類滅亡後に流れている常磐ハワイアンセンターのハコバンの音楽」というテーマで制作されたという。ベースを軸とした浮遊感のある楽曲に、アイロニカルで寓話的な歌詞が乗り、終末的でありながらも、どこか明るい雰囲気を生み出している。今回のインタビューでは聞き手に音楽評論家の小野島大氏を迎え、本作の制作プロセスから楽曲に込めたイメージ、さらにはライブを行わずに独自のペースで活動を続ける理由について、じっくりと語ってもらった。(編集部)
「曲がほとんどベースで決まるんだなっていうのが改めてわかった」
ーー2年半ぶりの新作です。構想2年ということなんですが、どういう形で今作の制作は始まったんでしょうか。
坂本:1曲ずつ作っていって…特にアルバムの制作期間だから曲を作り始めるとか、そういうのではなく、日常的にギターで曲を作っていった中で、ちょっと面白いなと思えるのが出来て、それが2曲目の「スーパーカルト誕生」って曲なんですけどね。そこからアルバム全体に繋がるイメージみたいなものが浮かんできて。それを時間をかけて、妄想を熟成させて…って感じですかね。
ーー最初に浮かんだアルバムのイメージというのは、「人類滅亡後の地球で鳴り響く音楽」という歌詞のテーマも込みで?
坂本:いえいえ、歌詞は最後のほうに作るんで。最初に曲だけ作っていって、レコーディングする時点で(歌詞は)あるって感じですね。
ーー前作のあとで反省点とか、次はこうしよう、というようなものはあったんですか。
坂本:それはないんですけど、前作では自分でベースを弾き始めて、ベースラインからアレンジするっていうのを初めてやって。それがすごく面白かったんですけど、そのあとのシングルとかで、その手法はだいたい見えてきたところがあって。次やるならベースは人に頼んで、バンド形式で録ろうと思ったんです。それぐらいですかね。
ーーふたつお聞きしたい点があるんですが、ひとつは、ベースで曲を作ることで何が変わってきたかという点。もうひとつは、前回はほとんどおひとりで作られていたと思うんですが、今回はきっちりとメンバーを決めてリハーサルも積んでレコーディングに臨まれたんですよね。なぜそうしようと思ったのか。
坂本:バンド(ゆらゆら帝国)の時はギターで曲を作って、それをスタジオに持っていってドラムとベースが合わせて、っていう作り方で。基本的にはパートを任せるという感じですね。でもベースで曲を作り始めると…曲がほとんどベースで決まるんだなっていうのが改めてわかったんです。たとえば…抜くタイミングとか。コードに沿って弾かないで、歌メロと、もうひとつ対になるようなベースラインが縫うように来る、っていうアレンジの仕方をやるようになって。あとは、コードがあって、コードの中の一番低いルートの音をベースが弾くっていうのが普通なんですけど、違う音から入って、ギターもコードを弾かないで、鳴ってないんだけど変なコード感が出るとか。ベースだけ聴くと違うコード進行に聴こえるんだけど、歌と、ギターの単音と、3つがあわさってコードになるとか。そういう出来上がりをイメージして、ここはギターが入るからベースを抜いておこうとか。そういう作り方ができるようになったってことですかね。
ーー作り方の自由度が増したということと、鳴らさなくても想像させる、というような考え方ができるようになった。
坂本:そうですね。あとは…曲の完成形が頭にあって、それに向かってどうすればいいか、いろんな方向から、自分の思い通りに考えられるようになったっていうか。
ーーバンドだと自分の思い描いていたものとは違う方向にいくことがあって。それがバンドの醍醐味でもあると思うんですけど…。
坂本:はい、そうですね。その通りですね。一人でやるとそういう細かいところまで自分で考えられる。それって、面白さと同時に仕上がりも見えすぎるところがあって。で、今回ベースは違う人にお願いしようと。バンドでやったのは、スタジオで一緒に練習することで出てくる人間のノリみたいなやつを記録したかったというのがあります。
ーーこういう風に弾いてくれ、という指示は全部坂本さんが出されるわけですよね。
坂本:今回もデモテープを自分で作って、そこには基本的なドラムのパターンと、べースラインは入っていて。それをもとにスタジオに入るんで、全然違うものにはならないんですけど、タイム感が違うので、自分でベースを弾くものとはやはり違ってきますね。
ーー自分の構想した通りのものができるんだけど、最終的な演奏の段階を人に委ねることで、違うニュアンスもそこに加わってくる。
坂本:ああ、そうですね。自分以外の要素をちょっと増やしたかったというか。1枚目はあまりにも「隅々まで自分」だったんで。それをちょっと薄めたい、というのもありました。
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