鶴竜(左)と豪栄道の取り組みで、物言いを付ける土俵下の白鵬=両国国技館
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◇夏場所<12日目>
横綱白鵬(29)=宮城野=が大関稀勢の里(27)=田子ノ浦=との1敗同士の大一番を一気の寄り切りで制し、単独首位に立った。1敗の白鵬を2敗で日馬富士、稀勢の里、平幕の勢が追い、3敗で鶴竜が続く。十両は東龍ら3人が3敗でトップ。
大一番の直後だというのに、白鵬にこんな余裕があったとは。稀勢の里を寄り切りで下したあとに、結びの一番を見守っていた東の土俵下。豪栄道に軍配が上がる。鶴竜が敗れ座布団が乱舞する中で、白鵬は微動だにせず高々と右手を挙げていた。
控え力士の物言い。最近では1996年初場所9日目に貴ノ浪が手を挙げた例があるが、横綱となると異例中の異例。審議の結果、豪栄道の反則負け。見逃さなかった白鵬のファインプレーとなった。
「(手が)入ってたでしょ? 誰も挙げなかったから、アレッて」
寄付行為審判規則の第5条に「控え力士は勝負判定に意義ある場合は物言いをつけることができる」とある。
もちろんをそれを知っている横綱。「完全に入ってるなと思って手を挙げましたから。審判が誰も挙げてないのに中途半端な気持ちでは挙げないでしょ」。自信を持って手を挙げた。
本割も冷静だった。稀勢の里が突っかけてきたが2度の待った。3度目は、きれいな立ち合いとは言えないが、稀勢の里が腰を引いたところで立ち、左から張って右からかち上げ。圧倒した。
稀勢の里戦では毎度のかみ合わない立ち合い。熱くなった? と聞かれると「多少ね。毎回毎回ありますから。ナンダ! というのはある」と言ったが、「(冷静な部分と)半々じゃない」と振り返った。
残り3日。相手は琴奨菊と2横綱。ただ、白鵬の口からは「(稀勢の里戦が)ひとつの山でもありますし」。それを超えた今、大台に王手をかける29回目の優勝はすぐそこにある。 (岸本隆)
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