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 心臓が突然止まった人の命を救う自動体外式除細動器(AED)。設置する建物は増えているが、いざというときに探したり、運んできたりして時間をロスするおそれは残る。そこで、タクシーに積んでおいて持ってきてもらおうという取り組みが7月、始まることになった。

 日本救護救急財団や、スマートフォン向けタクシー配車支援サービスを展開するヘイロー・ネットワーク・ジャパン(東京)など4社・団体が協力し、世界初となる実証実験を大阪市で始める。市内を走るタクシー50台にAEDを設置。ヘイローのアプリを使うと近くにいるAEDタクシーを探せ、直接呼ぶことができる。AEDの使い方講習を受けた後に同財団に登録した人が対象だ。

 呼び出しからAEDを使うまでの時間、AEDを使われた人の回復具合などのデータを蓄積して効果を検証。大阪を皮切りに国内外での事業化をめざす。

 実験ではAEDなどは無償提供されるが、事業化後はタクシー料金などだれが負担するかが課題になる。(田幸香純)