STAP細胞問題で、大学教育のあり方までが問われる事態になっていますが、それに関連して、理系学部出身の二人の知人AとBに聞いた話を思い出しました。
Aが中堅私立大学在学中に実験していた時の話です。
- Aが係った実験が失敗に終わった。
- Aは実験の経緯と、失敗の原因、改善案等を考察したレポートを作成して提出したが、教授に突き返された。
- Aと同じ班の他の学生は、実験が失敗していたにもかかわらず、成功例が記された先輩のレポートを写して提出し、OKをもらった。
Aが、自分の行動が認められなかったことに未だに納得がいかない、と語ったところ、難関国立大学出身のBが自分の経験を語りました。
- Aと同様、実験が失敗した際には、失敗の経緯と原因等を考察したレポートを作成した。
- 実験器具が故障している場合もあるため、実験の結果を鵜呑みにできない(懐疑心を失わないことが必要)。故障を見つけることも一つの訓練。
- 実験中は補助スタッフが見回っているため、失敗したものを成功したと偽ることは不可能。
- レポートは実験の報告書であるため、実験の成否にかかわらず、正確に記述することが重要と教育された。
これを聞いて、Aは「やはり自分は間違っていなかった」との認識を深めたようでした。
それにしても、Aの大学の学生のように、「“正解”に合わせて実験結果を捏造・報告するのが賢い方法」と教育された人が大量に世に放たれているとすれば、恐ろしいことです。
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