SnapLite

PFU は、iPhoneをスキャナにするデスクライト&アプリSnapLiteの発表会を東京恵比寿で開催しました。発表会の様子と質疑内容をお伝えします。語られたのはAndroid や iPhone5 / 5s / 5c以降の機種への対応について、カラーバリエーション展開、SDKの公開とサードパーティ製の連携アプリなど。

SnapLite記者発表イベント

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SnapLiteインプレッション

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冒頭でイメージビジネスグループ国内営業統括部長の松本秀樹氏はSnapLiteの開発に着手した背景を語りました。

100カ国にわたるドキュメントスキャナーの世界シェアを持つPFUが「スキャナーは便利な道具。でも一般の人は必要のない存在として捉えているのでは」という前提を掲げて新しい製品開発に着手。女性を起用した専門プロジェクトを立ち上げて完成したのは、身近にあるデバイスのiPhoneをスキャナーにし、デスクライトという日常生活に溶け込む製品と使いやすいアプリでした。
SnapLiteは今まで培ってきたドキュメントスキャン技術を使って「今までのiPhoneでは実現できなかった機能がカンタンに使える」、「究極の使いやすさを追求」した使い勝手と、日常に溶け込むプロダクトを形にしたものであり、「iPhoneと何かを組み合わせた魔法のような製品を作りたかった」と意気込みと狙いを表現。


続いてSnapLiteのデモと販売戦略についての説明がプロジェクトメンバーのイメージビジネスグループ飯室佳世氏と斎藤菜摘氏から行われました。

まずはiPhoneアプリで撮影モードを選択。メッセージが表示されたら本体台座に載せます。するとSnapLiteに置かれたことをジャイロセンサーの働きで認識してスイッチが入り、照明が点灯。同時に撮影モードに合わせて照射されるレーザーガイドに従って撮影対象を置いて、SnapLiteの基部にあるリスのマークに軽く触れるだけ。

デモは紙の単体撮影、紙と立体物(焼き菓子)を組み合わせての撮影、レシートと写真を並べての複数撮影、A3サイズの合成撮影と4パターンを実施。読み取りスピード・画像処理速度共に早く、1つのパターンは撮影対象の配置に悩まなければ10数秒で完結しました。

操作手順はできる限り減らすよう工夫し、最小では3ステップで撮影を完了するように設計したため、結果として全体の処理時間の短縮も実現しています。

なお、対象機種をiPhone5 / 5s / 5c・対応OSをiOS6以上と限定しているのは、求める処理能力やスピードが得られないからであると補足説明がありました。

撮影データは、処理完了後に表示されるシェアボタンを使うと各種ソーシャルメディアやメールへの添付ができるようになっています。

SnapLiteには専用ドキュメントスキャナーであるScanSnapのように大量のドキュメントを一回で大量に処理するパワーや、ページ送りなどの機能はありません。

普段の生活でつい処理を疎かにしてしまうレシートや名刺をはじめ、リアルな形としても残しておきながら劣化しないデジタルファイルとして取っておきたい写真や手描きのイラストを簡単に撮影・保存したり、スタンドの形状を活かして従来の紙送り式やフラット型スキャナーではできなかった料理や食材・ネイルなどの立体物、平面と立体・立体と立体を組み合わせた撮影を行うなど、便利なだけではなくクリエイティブで楽しいスキャナーの使い方を提案する製品です。

5月28日より、オンラインではAmazonと楽天のPFU DIRECTならびにAssistOnとAppBankのオンラインショップで販売します。また、6月下旬からはApple Onlineでも販売されます。実店舗ではAssistOn本店とAppBank全5店舗でタッチアンドトライができ、説明も受けられます。

また、SnapLiteに対応したアプリの開発が可能な「SnapLite SDK」の提供も発表。発表会の5月21日現在では、PFUのパートナー企業からコクヨS&TのCamiApp・ブレインパッドのRecoRecoの2アプリでの連携が表明されています。



最後に、SnapLiteのプロダクトデザイン・Webデザイン・キャラクターデザインなどを担当したデザインユニットTentの青木亮作氏と治田将之氏が登壇。

PFUから企画が持ち込まれた際、「まいにちの小さな喜びを集めて仲間とシェアする」インスピレーションを得て、毎日どんぐりを拾い集めるリスにスマートフォンを持たせた絵をシンボルに決定。

ユーザーが触れる場所にリスが登場するようデザイン・設計することで、SnapLiteを使った「撮影する」という新しい行為を楽しんで欲しいと狙いを表現し、「みなさんのお家で、まいにちの暮らしの中で楽しく使って頂けるとうれしい」と語りました。

なお、質疑応答では今後のカラーバリエーション展開としてアメリカ側からブラックが要望として挙がっていることや、Android対応は検討段階であること、iPhone5 / 5s / 5c以降の機種への対応はアプリ側で出来る限り吸収していくことが補足説明されました。

従来のシェアに甘んじることなく、さらにスキャナーの可能性を追求したい。あえてデスクライト本体に読み取り機能を持たせなかった挑戦的な製品であることがよく分かる記者発表でした。


PFU『SnapLite』使用感。撮影の手軽さと応用力、部屋で浮かないデザイン

PFU『SnapLite』発表、iPhoneをスキャナにするデスクライト&アプリ。5月28日発売