May 22, 2014
世界で最も歴史が長い大規模な権威あるイベントで、参加者の数も世界一を誇る。トロフィーを手にしたブリーダーは同時に名声を手に入れる。
審査員はいつも通り、完璧を求める。毛づや、機敏さ、活発さ、プロポーション、色はどうか、本来あるべき姿をしているか。姿勢も重要だ。8本の脚すべてが真っすぐ立ち、完璧なバランスを保っていなければならない。そう。8本の脚だ。
英国タランチュラ協会(British Tarantula Society)の第29回エキシビションへようこそ。イングランド、ウェスト・ミッドランズ州コベントリーで18日に開催されたクモ界の“クラフツ”(世界最大のドッグショー)には、3万匹を超えるタランチュラとその熱心な飼い主が参加した。
2014年の最優秀賞(Best in S・・・
審査員はいつも通り、完璧を求める。毛づや、機敏さ、活発さ、プロポーション、色はどうか、本来あるべき姿をしているか。姿勢も重要だ。8本の脚すべてが真っすぐ立ち、完璧なバランスを保っていなければならない。そう。8本の脚だ。
英国タランチュラ協会(British Tarantula Society)の第29回エキシビションへようこそ。イングランド、ウェスト・ミッドランズ州コベントリーで18日に開催されたクモ界の“クラフツ”(世界最大のドッグショー)には、3万匹を超えるタランチュラとその熱心な飼い主が参加した。
2014年の最優秀賞(Best in Show)に輝いたのは、マイク・ドーキンス(Mike Dawkins)氏のソコトラ・アイランド・ブルー・バブーン(Socotra Island Blue Baboon)。ドーキンス氏はタランチュラの飼い主としては新人に近く、展示会への出品は今回が初めてだった。
「初めての参加だったため、本当に驚いている」と喜びを表現するドーキンズ氏は、2011年からタランチュラを飼い始め、すでにその数は約60匹まで膨れ上がっているという。
◆夢のようなクモ
ドーキンズ氏のタランチュラは健康状態の良さが際立っていた。さらに、希少性も評価された。ソコトラ・アイランド・ブルー・バブーンの参加数はあまり多くない。
ベテラン審査員のレイ・ヘイル(Ray Hale)氏は、「一目見てぴんときた」と話す。
ヘイル氏は2005年から審査員を務めており、タランチュラ協会の一員になって20年以上がたつ。ちょっとした楽しみのつもりで始めたイベントだったが、「飼い主たちはタランチュラと本気で向き合っている。すぐに本物の競争だと気付いた。クラフトに近いものがある。ヨーロッパ全域だけでなくアメリカや香港からもはるばる参加者がやって来る」。
◆理想的なペット
「タランチュラは本当に理想的なペットだ」とヘイル氏は強調する。「飼いやすく、においがなく、人にうつる病気もない。30年生きる個体もいる」。
また、小さなスペースで飼うことができる。適度な大きさの水槽に入れておけば満足してくれる。「野生では、巣の周辺で活動し、遠くに行くことはめったにない」とヘイル氏は説明する。「水槽くらいの大きさがちょうどいい。ジャングルをはい回っているというイメージは、ただのイメージでしかない」。
しかも、色とりどりの個体がいる。赤、青、緑、茶、黒、斑点、しま模様、多彩色などだ。
ヘイル氏はうやうやしい口調で、タランチュラの驚異は注目、称賛、評価されるべきものだと話を結んだ。
「私も子供のころはクモが怖かった。ある日、童謡で歌われているように、見上げると、1匹のクモが横に落ちてきた。よく見ると、とても美しいことがわかった。その色や模様、動きに魅せられ、クモの虜になった。あれから40年、私は今でもクモに夢中だ」。
PHOTOGRAPH BY PETER KIRK / BRITISH TARANTULA SOCIETY