PC遠隔操作:片山被告公判後「すがすがしい気持ち」

毎日新聞 2014年05月22日 21時40分(最終更新 05月22日 22時22分)

検察庁の職員らと弁護士事務所が入るビルを出る片山祐輔被告=東京都港区で2014年5月20日午前10時53分、竹内紀臣撮影
検察庁の職員らと弁護士事務所が入るビルを出る片山祐輔被告=東京都港区で2014年5月20日午前10時53分、竹内紀臣撮影

 パソコン(PC)の遠隔操作事件で威力業務妨害罪などに問われ、22日午前の東京地裁公判で一転して全ての起訴内容を認めた元IT関連会社社員、片山祐輔被告(32)は同日午後、接見した弁護人に「すがすがしい気持ち」などと公判後の心境を明かした。主任弁護人の佐藤博史弁護士が東京都内で記者会見して明らかにした。

 佐藤弁護士によると、被告は「傍聴人の視線が怖かった」と公判の感想を漏らしつつ「これだけのことをしても拘置所ではおいしく食事をさせてもらえる」と語った。睡眠も取れているという。佐藤弁護士は「仮面をかぶる必要がなくなり、気持ちが軽くなったのではないか」と推測する一方、「どうだましたのか質問すると、喜々としてしゃべる。悪魔性は潜んだままで、長期の治療が必要」とも指摘した。

 この日午前の公判で検察側は、被告が遠隔操作ウイルスを自ら作成した容疑などで今後、被告から事情を聴く方針を明らかにした。

 一方、被告は公判で起訴内容を認めるか問われると「全部事実です」と述べた。逮捕時から一貫して全面無罪を主張してきたことを「本当に申し訳ありませんでした。今まで多くの人をだましていました。すべてを裏切りました」と謝罪した。

 また、16日に送られた「真犯人」を名乗るメールが自作自演だったことが発覚した際の心境を検察側から問われると、被告は「三つの選択肢があった。しらを切る、すべて認める、死んでしまう。『死ぬ』という結論を出したが、死にきれなかった」と話した。【島田信幸、山本将克】

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