衆院本会議で22日、政府提出の「学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案」が審議入りし、民主党・無所属クラブを代表して細野豪志議員が質問に立ち、(1)国立大学法人法の付帯決議についてこれまでの措置と今回の改正案への反映(2)法律改正の必要性(3)学長の権限(4)学長の選考(5)教授会のあり方(6)大学の自治(6)困窮している学生等への経済的支援――等に関する問題を取り上げ、安倍総理はじめ関係大臣に質問した。

 同法案は、学長主導による大学改革を促進するため、学長補佐体制の強化、大学運営での権限と役割の一致といった大学での職や組織の規定を見直すとともに、国立大学法人の学長選考等の透明化等を図るための措置を講じるとするもの。

 細野議員ははじめに、安倍政権の基本的姿勢について、安保法制懇、NHK会長や経営委員、法制局長官など、総理に賛同する人を集め利用する傾向があるとして、「お友達」を重用する政権運営は、多様な意見、自由闊達な議論を阻害する結果になりかねないと問題視。集団的自衛権の問題に言及し、「国の安全保障の重要性を考えれば、与野党が党派を越えた協議を行い、熟議を通じた国民合意を目指す必要がある。与党内のみの閉じた議論を経て、憲法の解釈変更を閣議決定するなどという姑息な手法によるのではなく、与野党の協議を重ねた上で基本法を国会に提出し、国民的な議論に付すべき」だと強く求めた。

 細野議員は「人づくりは、国づくり。民主党は結党以来、教育政策を最重要政策と位置づけてきた。『人』こそがわが国の最大の資源であり、人材育成こそがわが国の未来を決める最大の課題」だと表明したうえで、同法案について、今回の改正案が成立すると学長の権限が大幅に強化されるとして、学長が暴走した場合の歯止めをかける仕組みについて質問。下村大臣は、「今回の改正は、教授会をはじめとした学内の組織が果たすべき役割を明確化するものであり、学長に新たな権限を付与するものではないから、学長の暴走を助長するものではない」「チェックの仕組みとしては監査や自己点検評価、認証評価等の評価、理事会や学長選考会議等の学長選考組織による業務執行状況の評価等が可能。このような仕組みにより大学が自主的、自立的に適切な運用を確保することが可能」と楽観的な見方を示した。

 教授会のあり方については、現行法では「重要な事項を審議するため」と規定されているものが、改正案では、教授会が意見を述べることができるのは「学生の入学・卒業及び課程の修了、学位の授与について」に限定され、学長が求めた場合のみ、「教育研究に関する重要な事項」について意見を述べることができるとされていると指摘。「学長の運営方針によっては、教授会の形骸化も懸念される。大学の自治、自主的・自立的な運営の観点からすれば、大学によって教授会のあり方は多様であってよい。必要なのは、現場で運用しやすい仕組みづくり」だと主張した。これに対し下村大臣は、「教授会のあり方については法律の趣旨を踏まえて学長の判断で各大学の事情に適した仕組みを採用してほしい」と同調した。

 また、沖縄県八重山地区の教科書採択をめぐり、国が竹富町に対し是正要求や指導を直接繰り返していることにも触れ、「安倍政権は、教育における国の関与を強めている。今回の改正で大学に対する国の関与が強まり、大学の自治が脅かされるのではないかと懸念の声が上がっている。大学の自治はどのように守られるのか」と尋ねた。下村大臣は、「今回の改正は、学長や教授会等の学内の組織について、適切な役割分担のもとで責任ある運営を行っていく体制を整備するものであり、大学に対する国の強化するものではなく、大学の自治が脅かされることはない」と答えた。