2014年5月22日18時54分
【石川瀬里】2日前に検察官に連れて行かれたときと同じ服装だった。黒と白の横しまシャツに、ジーンズ姿。22日午前10時。うつむきがちに、キョロキョロと傍聴席に目を向けながら、片山祐輔被告(32)は東京地裁818号法廷に入ってきた。
裁判長「検察側、弁護側、ともに意見があるとのことですが」
弁護人「では、弁護側から」
4人が誤認逮捕されたパソコン遠隔操作事件。逮捕・起訴された片山被告は一貫して無罪を主張してきた。3月に保釈。だが、前回の公判があった16日から、事態は劇的に展開した。
公判のさなかに「真犯人」から報道各社へメールが届く。片山被告は「送ったのは私ではない。裁判を終わりにしてほしい」。しかし、19日、検察が「送信者は被告自身」と特定。これが報じられると、片山被告が突然失踪した。
弁護人「その日夜、電話がありました。『死ぬ前に、先生にわびないといけない』と」
翌20日朝、迎えに来た弁護人に、すべての罪を認めた。そして再び勾留された。
弁護人「証拠隠滅を図ったことは間違いないし、逃げたことも間違いない。罪状認否を訂正したい」
検察官「こちらとしても、そうしていただきたい」
裁判長「被告人は前へ」
やはりキョロキョロとしながら、証言台に立つ。
裁判長「起訴された10件について、認否は?」
被告「全部事実です」
裁判長「その通りで間違いない?」
被告「はい」
裁判長「付け加えて言いたいことは?」
被告「いえ」
裁判長「ないということですか」
被告「はい」
続いて、被告人質問。主任弁護人の佐藤博史弁護士が質問に立つ。
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朝日新聞社会部
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