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政治
【月刊正論】移民「毎年20万人」受け入れ構想の怪しさ
最初にお断りしておくが、「移民」という行政用語は存在しない。政府としての定義は明確でないが、政府関係者は永住を前提として受け入れる人を「移民」としてとらえてきた。多くはいずれ日本国籍を取得しようとする人々である。誇張した表現をすれば、青い目、黒い肌の日本人になる人たちだ。
これに対し、「外国人労働者」とは出稼ぎ目的だ。企業の一時的な戦力として働き、仕事がなくなれば母国に帰る。好条件を求めて他国に職場を移すこともある。
これまでの外国人受け入れ論は、企業の賃金抑制策の視点から後者を指すことが多かった。企業が想定するのは、低賃金で働いてくれる20、30代の若者だ。「高齢になる前に母国に帰ってもらえばいい」といった都合のよい考え方である。だが、このような発想で若い外国人労働者を次々と入れ替えたのでは、人口減少を食い止めるという量的問題は解決しない。つまり、企業が経営効率の視点で「外国人労働者」を活用するレベルの話と、労働力人口減少の・穴埋め要員・としての移民を大量受け入れする話では次元が異なる。
人口維持試算が意味すること
さて、話を本題に戻そう。移民政策の怪しさ、危うさである。まず、内閣府が示した「毎年20万人」という数字が意味するところだ。これは50年にすれば1千万人、100年では2千万人である。
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