PC遠隔操作:佐藤弁護士、被告は「犯罪の感覚なかった」

毎日新聞 2014年05月22日 13時06分(最終更新 05月22日 14時44分)

片山祐輔被告の公判のため、東京地裁に入る佐藤博史弁護士(手前左)ら=東京都千代田区で2014年5月22日午前9時22分、喜屋武真之介撮影
片山祐輔被告の公判のため、東京地裁に入る佐藤博史弁護士(手前左)ら=東京都千代田区で2014年5月22日午前9時22分、喜屋武真之介撮影

 パソコン(PC)の遠隔操作事件で、元IT関連会社社員、片山祐輔被告(32)は22日、東京地裁(大野勝則裁判長)の公判で全ての起訴内容を一転して認めた。佐藤博史弁護士は公判終了後、東京・霞が関の司法記者クラブで会見し、「片山さんは自分の能力を制御できなくなった。現実に犯罪になっているという感覚がなかった」と話した。「自分のやったことがどれだけ迷惑を掛けたか分からせることが重要」とも述べ、誤認逮捕の被害者への尋問を通して、事件の重大性を被告に理解させたい考えも示した。

 佐藤弁護士は被告のうそを見破れなかった点について「刑事司法に携わる者として反省させられた。幸いなのは被告が事実を鮮明に覚えていること」と述べた。「サイバー空間でなぜ被告のような人間が生まれたかに光を当てたい」とも話し、言葉を詰まらせる場面もあった。

 被告は「(誤認逮捕事件は)愉快犯的な感覚だったが、『真犯人』メールは逃れたい思いで必死に書いた」と話しているという。

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