はっきり言います。
この作品は凄い!
太鼓判を押します!!
この作品に限り、完成度を上げる措置として私は著者でなく「総監修者」つまりproducerに徹しています。原稿は倅が書いていますが、構成も文章表現も全てに口を出します。
既に取材は終わり、添野先生と極真会館=大山倍達に関する資料も完璧に揃っています。
添野先生は晩年の大山総裁から直に「極真会館に戻ってくれ」と三顧の礼で迎えられた人物です。既に士道館館長として世界組織まで育てあげたにも係わらず、最終的に添野は「あくまで友好団体として国際空手道連盟の傘下に入る」ことを決断しました。ただ、それが現実になる直前に大山総裁は不治の病に倒れました。
1970年代の極真会館は劇画「空手バカ一代」の影響もあり空前の大ブームのなかにありました。当然、反作用として幾多のトラブルも起きました。
そんな時、常に特攻隊長を務めたのが添野義二です。トラブルの多くは大山総裁の舌禍、または他団体の嫉妬が原因でした。時には極真会館に「義」がない争いも少なくありませんでした。
芦原英幸は大山総裁の言動に呆れ、決してトラブルの表にでませんでした。しかし「士道」を旨とする添野先生は常に体を張って大山総裁を守ったのです。
そのうち元々、盟友関係にあった大山倍達と梶原一騎の間にすきま風が流れ始めます。それは瞬く間にヒビとなり最悪の崩壊を招いてしまったのです。
そんな大山vs梶原の対立の中でも添野先生は士道を全うしようと力を尽くしました。
大山による梶原と黒崎の暗殺命令
新日本プロレス壊滅指令
アントニオ猪木、新間寿殺戮命令(これが途中、脱尿した猪木の逃亡により、第三者に知れることになり、結局アントニオ猪木の監禁・土下座事件へと繋がる…)
なにもかも大山倍達を守るが故に闘った添野義二…しかし突然の大山総裁の裏切り。大山は全ての事件、トラブルの首謀者が添野だと公言。全ての責任を添野先生に被せたのです。
その卑怯さは映画「仁義なき戦い」の金子信雄以下であり、あまりにも卑怯な振る舞いといっていいでしょう。これについては黒崎健時先生も同意見です。
いまの常識ではあり得ない殺伐とした時代、添野義二はまさに「士道」を全うする「新撰組・土方歳三」そのものだったのかもしれません~。
奄美が同郷の緑健児を弟のように可愛がり、新極真会が描く大同団結に理解を示すのが添野先生の基本姿勢です(三瓶や長谷川などについては極めて批判的ですが)。2020年の東京オリンビックでは開催国特権として公開競技の選別が認められています。
現状では全日本空手道連盟の空手がほぼ決定しています。ただ過去、IOCは幾度も空手団体統一の不備を問題にし、組織一体化を勧告してきました。ここで重要なのが全日本フルコンタクト空手連盟なのです。士道館も参加しています。
私の予想に反して多くの代議士や財界人の協力を仰ぎ、両団体の一体化は決して夢物語ではなくなってきました。私の公安出身の大先輩もその可能性をかなり高いとみています。
一方で、添野先生は世界の空手勢力図を詳しく把握する妻・ユリアナさんとともに現在の松井極真会館に危機感を抱いています。
「プライドが高く、誰とも与せず孤高を気取るのもいいが、それでは極真会館は守れない。松井君もここは緑君と手を結んでフルコンタクト空手連盟を動かしてくれればいいんだが…まぁ彼の性格じゃ無理だねぇ」
と愚痴をいいます。
「互いに覚悟を誓いあった小島君とのビジネスも誰かの鶴の一声で出来ないようじゃね…、私も松井君が理解出来ないよ」
ありがたい添野先生の言葉です。
いずれにせよ、現在添野夫婦そして村上竜司氏ら多くの弟子たち。また伊東市の市長はじめ教育委員会や役人の方々は私たちの心強い後援者です。
添野先生曰く「伊東、熱海の裏の市長」らも同士だと。添野先生の奥様・ユリアナさんは倅に向かって「伊豆のおかあさん」と可愛がって下さいます。芦原英幸亡きいま、添野先生は私が最も頼れる「オヤジ」のひとりです。ユリアナさんは断言します。
「現在、松井さんの組織で活躍している外国選手は東京オリンビックで空手が公開競技になったら全員こっちに移籍しますよ。松井さんの団体は世界大会でさえ開けなくなります」
添野夫婦の暖かい優しさに甘えて、伊東に行くとつい仕事を忘れてしまう…
すみません。
原稿はやっと進み始めたのですが、極真会館とのビジネス契約によって失ったクライアントとの関係改善などに追われ、なかなかなかなかなかなか…
「猛虎・添野義二」
が進みません。先日も添野先生から国際電話で進捗状況を訊かれ、村上竜司氏からも義兄弟の倅は「館長が心配してるよ」といわれました。
ちなみに村上竜司氏の自叙伝も刊行が決まっています。
頑張りますので、秋には…最悪でも年内には発売になりますので、どうかお待ち下さい。
インパクト最強の作品を!
士道館館長・添野義二。未だ現役です。稽古は毎日怠りません。