ニューヨークタイムズ(ティッカーシンボル:NYT)のデジタル戦略が注目を集めています。
同社は4月から「NYT Now」というiPhoneアプリを開始しました。これは1か月8ドルという廉価版のニュース・サービスです。
その一方で既存の購読者には「Times Premier」と呼ばれる、カスタマイズされたiPhoneアプリを提供しています。
こうすることで、ちょうどエコノミークラスとビジネスクラスのような、差別化された価格戦略を打ち出したわけです。
さらにニューヨークタイムズは「NYT Opinion」と「NYT Cooking」というアプリをそれぞれ今年夏と秋にローンチする計画です。
業界関係者がニューヨークタイムズの新戦略を息をつめて見守る中、マーク・トンプソンCEOがボストンで開催されているJPモルガンのTMTカンファレンスに登壇しました。
トンプソンは廉価版アプリを出した理由を「スマホユーザーの間で、もうすこしプレゼンスを上げる必要があったから」としています。
「NYT Now」ローンチ後、今期のコア・デジタル購読者トレンドは若干減速しました。つまり食い合い現象が見られたわけです。ただネットベースではサブスクライバー数は純増すると見込まれます。
購読料収入に関しては、第2四半期のガイダンスである「一桁台の下の方の成長」は維持できる見込みです。
トンプソンは「トータル・エンゲージド・オーディエンスを増やすことを主眼に置いている」とコメントしています。このためアメリカ国内の読者だけでなく英国、カナダ、オーストラリア、インドをはじめとする国外の読者にもウェブ、スマホを通じてアプローチする考えです。
現在、ニューヨークタイムズのサイトには世界から3000万人がウェブ、スマホを通じてアクセスしています。そのうち2800万人は無料で閲覧しており、それらのユーザーをどうマネタイズするかが問題になるわけです。
言い換えれば米国内の既存の読者ベースから「刈り取る」ことばかりを考えるのではなく、海外まで「狩猟」に出かけてゆく必要があるということです。
一方、紙の新聞に関しては、デジタルの購読者の中から「日曜版だけ紙の新聞を購読したい」というユーザーも多数出ており、「紙はなかなか死なない」と考えています。
さらにハイエンドの広告主ほどニューヨークタイムズの存在を重宝しているし、「紙にとって代わる広告媒体は無い」という感想を持っています。
これらのことからトンプソンは「今後もずっと遠い将来まで、紙をやめることはないと思う」とコメントしました。

(文責:広瀬隆雄、Editor in Chief、Market Hack)
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