韓国国土交通部(省に相当)と韓国鉄道技術研究院は19日、世界最速となる最高時速300キロの高速貨物列車「CTX(貨物KTX〈韓国高速鉄道〉)」を開発していると発表した。高速貨物列車の機関車は、既存のKTX山川(サンチョン)と同じものだが、貨車は現在開発中で、荷台には荷役用の床面レールを備え、前後に高さ2メートル、幅3.2メートル超の大型ドアを設ける方式になっている。研究院は、2016年までに列車を試作する計画だ。
鉄道技術研究院は、仁川空港経由で輸出される携帯電話、半導体、医薬品、自動車部品、冷蔵食品など高付加価値製品をターゲットにしている。現在は、これらの製品をトラックで仁川空港まで運んでいる。
航空貨物の年間輸出入量は約300万トンで、金額ベースで見ると輸出入貨物全体の24%に相当する。列車1本(10両)で運べる貨物の量は最大166トンほどで、これはボーイング747型機1.5機分、大型トラック10台分に相当する。
研究院は、大田以南の地方であれば、トラックで運ぶよりも競争力があるとみている。亀尾(慶尚北道)の場合、トラックでは仁川空港まで4-5時間かかるが、高速貨物列車なら2時間と大幅に短縮される。
緑色交通物流システム工学研究所のヤン・グンユル所長は「同じ費用で所要時間を半分に短縮できる。ユーラシア鉄道時代に備え、ロシアに比べ遅れている貨物列車の競争力を貨物KTXで取り戻せるだろう」と語った。パク・チュンソ責任研究員は「欧州連合(EU)も、2017年の開通を目標に時速300キロの高速貨物列車を開発中だが、停滞している」と語った。現在、世界最速の貨物列車はフランスのもので、最高時速は270キロ。