• もぎたて!番組情報|NHK岡山

2014年05月09日 (金)おかビズ!「町工場が人工筋肉開発」 2014年4月30日(水)放送

【三條アナウンサー】
新コーナー「おかビズ!」です。このコーナーでは岡山の経済を深掘りします。
1回目の30日は、こちらに関する最新研究についてです。
20140430_21.jpg
【三條アナウンサー】
さあ、これは手袋ですよね。藤井さん。
【藤井キャスター】
はい、そうなんですが外した方が分かりやすいのでちょっと外します。
20140430_22.jpg
【三條アナウンサー】
はい、どういった手袋なのかはずすとよく分かります。
これ、手袋にはですね、スイッチが付いておりまして、こスイッチを押しますと・・・見ててください。
20140430_23.jpg
【藤井キャスター】
あ、握りました今。
【三條アナウンサー】
はい。
【藤井キャスター】
自動で。
【三條アナウンサー】
そしてもう1回スイッチを押しますと。
【藤井キャスター】
今度は開きました。
【三條アナウンサー】
シューと空気の抜ける音がしましたね。
【藤井キャスター】
はい。
【三條アナウンサー】
実はこのグローブ、筋力が衰えた人がものをつかむことができるよう開発されたものなんです。こう手を入れて使いますと握力が強くなるというものなんですね。
このグローブに使われているのが「人工筋肉」というものです。「人工筋肉」はお年寄りや体の不自由な人の日常生活をサポートする介護器具などに使われています。
この最先端のもの作りのとも言える人工筋肉の開発に取り組んでいる倉敷市のある町工場を氏家記者が取材しました。

(VTR)
 
20140430_24.jpg
ゆっくりと動く骨格模型の足。岡山大学では人工筋肉の開発が進められています。
20140430_25.jpg
ふくらはぎの部分の何本もの半透明の管が、人工筋肉です。
この人工筋肉、まるで本物の筋肉のように伸縮します。
20140430_26.jpg
倉敷市内の従業員およそ30人の町工場です。
人工筋肉の開発に協力しています。
20140430_27.jpg
工場を経営する清板祝士さんです。
工場では、靴ひもなど、複数の繊維を組み上げる組みひもを作っています。
靴ひもの他、ストラップ、手芸用のひもなど何百種類も製造しています。
この組みひも作りのノウハウが人工筋肉の開発に役立ったといいます。
20140430_28.jpg
【組みひもメーカー 清板祝士社長】
「ひもというのは伸び縮みする。縮むと膨れる、要はこの中のシリコンチューブに空気を入れる、膨らますと縮む、空気を抜けば伸びる、この伸び縮みが筋肉の動きに似ている、ということで人工筋として使用できる」
20140430_29.jpg
清板さんの人工筋肉は、ゴムの管のまわりを組みひもと同じ方法で作られた特殊な繊維で覆っています。
20140430_30.jpg
この管に空気を送り込むと。
管が太くなり、全体が縮みます。
20140430_31.jpg
空気を抜くと、伸びて元に戻ります。
この空気の出し入れで、本物の筋肉のような伸縮を生み出すのです。
【組みひもメーカー 清板祝士社長】
清板さんが、人工筋肉の開発に協力し始めた背景には、組みひもの仕事の先行きへの不安があります。
半世紀の歴史があるこの会社。
しかし、現在は中国や韓国などのメーカーに押され、売り上げは10年前に比べて、3割減ったといいます。
【組みひもメーカー 清板祝士社長】
「価格競争には日本も到底太刀打ちできない。ですから通常のものをやってるんだと先がない。その中でこういう人工筋とか非常に希望のある分野だと思います」
清板さんと岡山大学の人工筋肉の開発チームに、おととし大きなチャンスが舞い込んできました。
韓国の世界的電機メーカーが実用化に向けて共同研究を持ちかけてきたのです。
その条件は、これまでにない世界で最も細い人工筋肉を作ることでした。
清板さんは、人工筋肉に使う素材の選択から、
組み合わせる繊維の本数などを徹底的に研究しました。
20140430_32.jpg
もっとも苦労したのは、繊維を組み合わせる角度です。角度が1度違うだけで、思ったように伸び縮みしないためです。
【組みひもメーカー 清板祝士社長】
「角度が違うことによって、伸び率が違ってきます。伸び率が違うということは必要なストローク(伸縮の長さ)が出てこない」
少しづつ条件を変えながら何度も挑戦し、失敗を繰り返しました。試した数は600通りにのぼります。
20140430_33.jpg
そして、ことし2月に太さ0.8ミリという世界で最も細い人工筋肉を作り上げることに成功しました。
岡山大学と韓国のメーカーは、開発した技術に関する特許を申請。
体内に入れる小さな医療器具での実用化を目指しています。
この人工筋肉、他にもさまざまな医療器具や、筋肉の衰えた人のための介護器具などへの活用が期待されています。
20140430_34.jpg
【岡山大学大学院自然科学研究科 脇元修一准教授】
「日本が誇る伝統的な技術っていうのはなかなかわれわれ最先端のとこでやってる研究者っていうのは意外と気づいてなくてですね。
まさにその組みひも技術がなければ今の最小限の人工筋っていうのは実現できなかったと思ってます」
【組みひもメーカー 清板祝士社長】
「古い機械を使って昔からの技術で、最先端のものができると、これは非常に楽しいですし、今後もいろいろなもっと変わった人工筋も作ってみたい」
組みひもという伝統の技術を生かした最先端の人工筋肉の開発。
町工場から新たな挑戦が始まっています。

(VTRおわり)
 
20140430_35.jpg
【三條アナウンサー】
ここからは取材にあたった氏家記者とお伝えします。
氏家さん。この人工筋肉、介護などの分野で需要が増えそうですね。
【氏家記者】
そうですね。
この空気圧を使った人工筋肉は、1950年代後半にアメリカで開発されたもので、世界中で研究が進められ、介護や医療の分野で実用化が進められています。
【三條アナウンサー】
そうした中で今回開発された人工筋肉というのは、画期的なものなんでしょうか。
【氏家記者】
はい。今夏開発された人工筋肉は0.8ミリという細さで、これまで以上に活用の場が広がると見られているんです。
具体的には今までよりも薄くて着やすい装着型の介護用の服や、体内に入れて使う内視鏡やカテーテルなど、医療器具などの開発が期待されています。
【三條アナウンサー】
なるほど。それにしましても古くからの町工場からこうした最新の技術が生まれるっていうのは驚きですね。
【氏家記者】
はい。今回取材した町工場は、県の研究機関のすすめで、人工筋肉の研究に取り組んだということですが、組みひも作りのノウハウや今ある生産設備が使えるので大きな投資がなくても新たな分野に打って出ることができたんです。
この町工場には韓国のメーカー以外にもさまざまな企業から問い合わせが来ているということです。
今回の取り組みは、もの作りが盛んな岡山県にとって大きな参考となるのではないかと感じました。
【三條アナウンサー】
ここまで、「おかビズ!」倉敷市の町工場で開発された、最先端の人工筋肉について氏家記者とお伝えしました。

NHK 岡山放送局

カテゴリー

新着記事

検索

カレンダー

2014年05月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

バックナンバー

キーワード

携帯はこちらから

RSS
NHKCopyright NHK (Japan Broadcasting Corporation). All rights reserved. 許可なく転載することを禁じます。
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%