脱税に問われた弁護士ら2人に無罪判決5月21日 18時20分
全国の商業地で、ビルをリフォームして転売する不動産取り引きを巡り、東京の弁護士ら2人が、所得税8億円余りを脱税した罪に問われた裁判で、東京地方裁判所は「取り引きによる収益は2人のものとは言えない」と判断して、無罪を言い渡しました。
東京・千代田区の小谷平弁護士(72)と元妻の小谷万里子公認会計士(63)は、東京の都心などで、商業ビルをリフォームして転売する不動産取り引きなどで得た22億円余りの所得を隠し、およそ8億4000万円を脱税したとして所得税法違反の罪に問われました。
裁判で被告側は「不動産取り引きは複数の会社が行っているので、個人の所得には当たらない」などと無罪を主張したのに対し、検察側は「事務所がなく従業員がいないなど会社には実態がなく、実質的に被告らの個人事業だ」と主張していました。
21日の判決で東京地方裁判所の鹿野伸二裁判長は「不動産取り引きの資金は、それぞれの会社の口座から出ており、法律的には、取り引きの主体は会社だと判断すべきで、収益が個人のものだったとは言えない」として、2人に無罪を言い渡しました。
弁護士によりますと、無罪判決について小谷万里子さんは「裁判に4年という長い期間がかかったので、無罪となりほっとしています」と話していたということです。
弁護士は「国税局と検察には、無謀な刑事告発と起訴をしたことに猛省を促したい。被告は2年3か月も身柄を拘束され、判決までも長い期間が経過しており、控訴をしないよう求めたい」と話しています。
判決について、東京地方検察庁の堺徹次席検事は「検察の主張が認められず、2人を無罪とされたことは遺憾だ。判決内容を十分に検討して、適切に対処したい」というコメントを出しました。
|
[関連ニュース] 自動検索 |
|
[関連リンク] |
|