オタコン:「オタク」コンパ人気 同じ趣味で盛り上がり
毎日新聞 2014年05月21日 15時00分
オタクだけが参加できる男女の出会いイベント「オタコン」が大阪・日本橋で人気だ。100人の定員はいつもオーバーし、会場ではアニメやゲームの話題が飛び交う。「やはり恋人とは同じ趣味で盛り上がりたい」。普段はオタクであることを隠している人にも安心してもらえるのが売りという。【岡村崇】
オタコンはオタクとコンパの略称。オタクが多く集まる大阪市浪速区日本橋で今年2月から月2回程度、開かれている。企画するのは地元のイベント会社「ああとあいてぃ」。武内博社長(35)以下、社員やスタッフもオタクを自任している。
武内社長らによると、メイド喫茶などを会場に、これまで7回開き、20〜30代の約1100人の男女が参加した。参加費は男性4500円、女性2500円(飲食代込み)。参加資格はオタクであること。参加を申し込む際、同社のホームページ上でアニメなどの知識を問うオタク度診断テストを受け、正答率が40%以上だと合格だ。
参加者をオタクに限っている理由には、オタク文化への偏見もあるという。オタクであることを隠して生活する人は少なくないとされる。オタク同士なら本音で趣味について話せるから、恋人探しにもぴったりというわけだ。
オタコンでは毎回、多くの男女が連絡先を交換している。趣味の話題で盛り上がり、グループで交流が始まることもあるという。
武内社長は「私もオタクだが、オタクは総じて現実の恋が苦手。オタクの幸せのためにオタコンを広めたい」と話している。
◇参加者「職場では話せない」
「しょう」「がっちゃん」。胸の名札にニックネームを書いた男女がアニメやゲームの話題で盛り上がる。
18日午後2時から、日本橋のイベント会場など3カ所で開催されたオタコンには100人以上が集まった。
ある会場では、13のテーブルに分かれ、スタッフの音頭で乾杯してスタートした。
手元にはそれぞれが書いたプロフィル。何オタクかを記す欄に「ゲーム」「漫画」などとあり、相手の趣味に合わせた話題を振って会話を楽しんでいた。
30分後、席替えタイムとなり、会場間の移動も可能になると、男女が続々と入れ替わった。グループごとのゲームなどもあり、午後5時まで会場はにぎわい続けた。
初めて参加した堺市の男性会社員(25)はミリタリー系のアニメが好きな「ミリオタ」。偏見が怖く、女性にアニメの話題を振ったことがないという。