東日本大震災

「震災 原発事故 3年」アーカイブ

  • Check

住民帰還 後押し 民間賃貸住宅の購入促進 復興庁 市町村に費用補助

 東京電力福島第一原発事故による避難指示が解除された地域に戻る被災者の住宅確保に向け、復興庁は民間事業者が建設する賃貸住宅の買い取り制度を創設し、4日に運用を開始した。避難者の帰還促進が目的。避難指示区域を抱える市町村が、管内に設ける復興拠点内の民間住宅やアパートを買い取る場合、国が費用の8分の7を補助する。同日、復興庁が発表した福島再生加速化交付金の対象事業に盛り込まれた。

■再生加速化交付金事業
 賃貸住宅の買い取り制度は避難指示区域が設定された県内12市町村が対象となる。建物の建設費用と土地取得費の合計の8分の7を補助する。残りの8分の1は各市町村の自己負担となるが、復興庁は家賃収入で補えるとみている。

 各市町村が避難指示解除に合わせて管内に復興拠点を整備する場合、賃貸住宅を用意する必要が出る。放射線量が比較的高い地域の住民は帰還しても、自宅で生活できないことが想定されるためだ。民間事業者が建設した賃貸住宅を買い取れば、一度にまとまった数の戸数を確保できる。

 復興庁の担当者は「各市町村の職員は日々の復興業務に追われている。賃貸住宅を民間から買い取れば、自ら設計、建設する手間が省ける。職員負担が減り、復興拠点整備も加速するはずだ」と期待する。

 復興庁は、復興拠点内に小中学校や幼稚園などの教育施設、老人ホームをはじめとした社会福祉施設などを建設する費用についても福島再生加速化交付金の交付対象とした。

■県内市町村「効率的」
 賃貸住宅買い取り制度の対象となる一部の市町村は、制度を活用する検討を始めた。

 川内村は村内の旧緊急時避難指示解除準備区域に、帰還者向けの公的賃貸住宅を10戸程度確保する方針。民間からの買い取りを視野に入れており、村の担当者は「復興業務の増加で人手が足りない中、民間賃貸住宅を買い取ることができれば効率的」と語った。

 田村市は同市都路町の4月1日の避難指示解除を控え、制度を活用する方向だ。

カテゴリー:震災 原発事故 3年

「震災 原発事故 3年」の最新記事

>> 一覧

東日本大震災の最新記事

>> 一覧