パソコン遠隔操作事件で、再収監された元IT関連会社社員の片山祐輔被告(32)=威力業務妨害罪などで公判中=が3月の保釈直後から、第三者を装ったメールの送信を準備していたことが21日、弁護側などへの取材で分かった。東京地検や警視庁は詳しい経緯などを調べている。
主任弁護人の佐藤博史弁護士によると、片山被告は3月5日の保釈前から、有罪判決を受けた場合に、第三者を装って「真犯人」メールを送ろうと計画。保釈直後の4月、パソコンでメールを作成した。
同じ頃、購入時に身分証明書が要らないデータ通信用のSIMカードを秋葉原で購入し、スマートフォン(スマホ)に搭載。メールの送信予約ソフトをインストールし、パソコンで作成済みのメールをスマホに移したという。
その後も第三者を装ったメールは送信していなかったが、母から「一刻も早く平穏な暮らしを取り戻したい」と言われたことを受け、有罪を免れようと、今月16日の公判中にメールを送信。スマホは自宅から離れた東京都江戸川区の河川敷に埋めたという。
第三者を装ったメールは16日午前、報道機関などに一斉に届いた。警視庁の捜査員が15日夕に片山被告が河川敷に何かを埋めるのを目撃しており、16日午後にスマホを回収。解析を進めた結果、「真犯人」メールと同じ文言が送られた痕跡を確認した。東京地裁は20日、片山被告が証拠隠滅を図ったとして保釈を取り消し、同日午後に東京拘置所に収監された。
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