Surface Pro 3はマイクロソフトを救うか? 標的はiPadからMacBook Airへ

2014.05.21 10:00
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タブレットでの戦いを捨てて、薄軽ラップトップとしての勝負へ。

マイクロソフトがSurface Pro 3を発表しました。それはより薄く、より早く、すべてが前より改善しています。が、この発表の重要なポイントは、Surface Miniがなかったということです。それにより、マイクロソフトはついにiPadにはかなわないことを認めたのです。

でも同時に、MacBook Airには手が届くかもしれない、そんな見方もできるようになりました。


もうiPadは追わない


今日のSurface発表イベントの前には、より小さなSurfaceタブレットが出てくると予想されていて、それはアップルのiPad Miniに正面から対抗するものになるはずでした。もしマイクロソフトがiPadを倒そうとするなら、Surface Miniには意義がありました。敵が小さいタブレットを作ったんなら、我々だって作ってやるぜ、小さいキーボードも付けてね、と。望みのない戦争を戦うつもりなら、全面戦争したっていいわけです。

でも結局、Surface Miniは登場しませんでした。代わりに、Surface Megaとも言うべき、一回り大きな12インチタブレットが出てきました。それは、ちょっと太めのタブレットだった従来のSurfaceに代わり、ラップトップの世界に属するといってもいいものです。キーボードも大きくなり、タッチパッドも改善しました。価格は約1,000ドル(約10万円)です。

これはもう、「キーボードをくっつけられるiPad対抗タブレット」ではありません。むしろ、「キーボードを取り外せるMacBook Air対抗ラップトップ」と言ったほうがいいです。そしてその位置づけの変更は、大きな違いになります。

ちなみにBloombergによると、マイクロソフトはSurface Miniもしっかり準備していましたが、最後の段階で今日のプレゼンテーションから外したそうです。理由は、「競合と十分差別化できておらず、ヒットしないだろうから」とのこと。つまり、その領域はあきらめたということです。


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Surface Miniをあきらめたことと、代わりにMacBook Air対抗のSurface Pro 3を投入したことで、マイクロソフトは小さいながらも「勝てる」ポジションに付けることができました。Surface Pro 3の方が、より軽く、薄く、ペンみたいなスタイラスで書き込むこともできます。また、ユーザーの期待値のマネジメントという意味でも有効です。12インチのSurface Proを持つと、それはもう大きなタブレットとは感じられません。むしろ、「ラップトップにしちゃえらく小さくて軽いな」と思うわけです。


Surfaceのねらいの変遷


この戦略変更は、もうだいぶ前にしてもいいものでした。初代Surfaceはタブレットプラスとして、マイクロソフトに勝利をもたらすつもり、でした。特にSurface RTは、機能を省いたOSと10.2インチディスプレイで、iOS搭載9.7インチディスプレイのiPadを直接ターゲットにしていました。キーボードカヴァーを(有料で)付ければ、未来のコンピューティングが完成するはずでした。「ラップトップにもなるタブレットがあるのに、なんでiPadを買うの?」そんなスタンスでした。ただ実際、そのコンセプトの素晴らしさと実物の出来栄えが全然違っていました

大きく勝とうとするのは恥ずかしいことではないし、いつか誰かがiPadに代わるか、匹敵するタブレットを作ることでしょう。でもSurfaceにはそれができませんでした。パソコンのようにふるまうタブレットは、マイクロソフトのパノス・パネイ氏が指摘するように、タブレットを持つ人のうち96%の人がコンピューターを持っている今、あまり必要とされていませんでした。

それにiPadは、いまだに一番大きな競合機の2倍以上の売上を保っています。もしSurfaceがそのコンセプトを完ぺきに実現していたとしても、それに打ち勝つにはありえないほど長い道のりになったことでしょう。しかもSurfaceは実際、完ぺきとはほど遠い代物でした。

ただ、フルのWindowsを載せた初代Surface Proはちょっと違いました。もっと洗練されたSurface 2も含めて、スペック的には大きく改善されていました。が、まだまだ狙うところには届きませんでした。タブレットとしては高価すぎ、パソコンと比べれば小さすぎ、性能も低すぎでした。

でも、MacBook Airより薄くて軽い、でも本当に使えるラップトップなら、話は別です。さらに、タブレットにしたいときはキーボードも取り外せるんです。

長期的にパソコンがなくなるのか、タブレットが一時的なものなのか(ハイブリッド機も売れてはいますが)、誰にもわかりません。でもマイクロソフトにとって遠い未来のことより大事なのは、手遅れになる前に今すぐ、選ばれる存在に返り咲くことなんです。

iPadをいつまでもターゲットにしていたら、それは決して実現できない夢でした。でも重量級を少し落としたことで、彼らはようやく、勝てる相手を見つけたのかもしれません。


Brian Barrett - Gizmodo US[原文
(miho)

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