くも膜下出血から生還した神足裕司氏のロボットスーツ体験記
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- 2014.05.19 11:00:14
- by NEWSポストセブン
- Tags : ライフ
2年半前、人気コラムニスト、神足裕司氏(56)は重度くも膜下出血に倒れた。命こそ救われたものの、左半身麻痺、高次脳機能障害といった後遺症が残り、今も会話はままならない。しかし、家族の介護を受けながら、徐々に執筆活動を再開。
そんな神足氏の次の夢は、歩けるようになることだ。そこで神足氏が選んだのは、身体動作支援ロボットスーツ「HAL」(福祉用)だった。つくば市のサイバーダインスタジオで、15日間の集中トレーニング。以下〈 〉内は、神足氏が綴った体験記の一部だ。
〈久しぶりだった。HALは以前、取材をしたことがあった。まさか自分が必要な立場になるなんてその頃は思ってもみなかったのだけど、取材したときは、こんな『鉄腕アトム』の世界のものが世の中で本当に使われるようになるなんて、夢のまた夢のような気がまだしていた。
筑波大学で研究されてきたロボットスーツ「HAL」は、2004年6月に設立されたサイバーダイン株式会社で研究・開発、製造、販売されている。そのサイバーダイン株式会社はこの春(3月26日)に東証マザーズに上場を果たした。日本でロボット医療機器メーカーが上場したことは、はじめてだという。
ボクのように脚の機能が衰えた人の補助をするロボットスーツ「HAL」は、ドイツではHALによる治療が公的な労災保険での適用を受けていたり、EUではHALの治療効果が認められて医療機器として認証されていたり、日本よりも海外での認知度のほうが進んでいるのかもしれないが、とにかく勢いがあるのだ。
実際、ボクがトレーニングを受けている間にも、連日、国内外を問わず、取材や官公庁、大学関係者の見学がひっきりなしにやってきた。トレーニング中のボクにも視線が投げてこられる。「あの人はどのくらい脚が不自由で、装着すると、どのくらい歩けるのだろうか?」──当たり前の好奇心の眼差しが注がれる。けれど、ボクはそれも悪い気はしないのだ。むしろ、誇らしくも思ったりする。この最先端のロボットを“装着”して、いま歩いているのだという自負がある。〉
2011年9月3日、神足氏は重度くも膜下出血に倒れた。左脚がうまく動かないのは、脳の右側の運動中枢が損傷を受けたためだが、脳からは筋肉を動かす生体電位信号が正常に発信されている。HALはその微弱な信号を皮膚表面から検出、増幅してモーターを動かし、歩行をアシストする──この反復トレーニングを繰り返すことで、正しい脚の動きを脳が学習していくと考えられている。
〈自分が動けない、歩けないということがどういうことか、頭のなかで考えてみると、よくわからない。歩こうとすると、頭のなかも止まってしまうという感覚ともちょっと違う。
文字通り、歩こうという意思が脚に届かないということなんだろう。魔法を唱えているのと同じで、「目の前の箱よ、右に動け!」と念じるが、一向に箱は動かない。魔女ならば唇でも動かせば、箱は右にも左にも自由自在だ。人間というのはそもそも「脚よ!動け」なんて念じなくても、脳からの指令でスムーズに脚が動くようにできている。
要するに、無意識ということ。HALはそんな無意識を自然とつくってくれる。HALは自分の脚のアシストというよりも、脳がつながっていない部分のアシストをしてくれているようだ。
自分では実はどうつながっているのかよくわからないのだが、脚や手を動かせないということをみなさんにどう伝えたら、わかってもらえるか?
夢のなかで追いかけようとしても、宙を舞っているようにスローモーションで歩けないとか……。痺れてしまった脚が、言うことをきかないとか……。もどかしいのだ。自分の身体が自分でないようで。普通の歩行リハビリと決定的に違うのは、その辺りだと思う。
装具を付けて、杖をついて、一歩踏み出す。その一つひとつを考えて、行動になる。だから、もちろん話しながら歩くなんてできないし、いまだって思い出そうとしたら、文字すら書けなくなりそうなくらいだ。
HALは自分が「どうだっけな? 左脚を出すんだよな」と考える前に、左脚が出ている。みなさんは、それが普通だろう。けれど、いまのボクは違う。「脚よ、動け!」と念じても、動かないのだ。
念じれば念じるほど、動かない。それが念じれば両脚が勝手に動くのだから、こんなにすごいことはない。HALによる歩行トレーニングをするときの装着感は、きっと仮面ライダーに変身している、もしくは宇宙服を着ているようだと思う。「脚だけなのに?」と思うかもしれないが、ボクを拘束するような密着感が仮面ライダーや宇宙服のそれに似ている気がするのだ。
◆神足裕司(こうたり・ゆうじ)1957年8月10日、広島県生まれ。慶應義塾大学法学部在学中から執筆活動を開始。コラムニストのほか、テレビ、ラジオのコメンテーター、映画俳優などでも活躍する。故・渡辺和博氏との共著『金魂巻』、西原理恵子氏との共著『恨ミシュラン』はベストセラーになった。近著に闘病、リハビリの日常を記した『一度、死んでみましたが』。
撮影■矢木隆一
※週刊ポスト2014年5月30日号
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#神足裕司 あら、倒れてはったのですか・・・最近文章見掛けないなーとは思ってましたが・・・ / “くも膜下出血から生還した神足裕司氏のロボットスーツ体験記│NEWSポストセブン” http://t.co/w7jhp01RD5
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かっこええ! HALも神足さんも ☞くも膜下出血から生還した神足裕司氏のロボットスーツ体験記│NEWSポストセブン http://t.co/nV0mOqAPrf #postseven
神足さん、凄い!//くも膜下出血から生還した神足裕司氏のロボットスーツ体験記│NEWSポストセブン http://t.co/MwjAspLtZf
すごい / HALは自分が「どうだっけな? 左脚を出すんだよな」と考える前に、左脚が出ている。みなさんは、それが普通だろう。けれど、いまのボクは違う。「脚よ、動け!」と念じても、動かないのだ / “くも膜下出血から生還した神足裕司…” http://t.co/qGYGoHOFNf
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そっか左半身不随になってたのか。「むしろ、誇らしくも思ったりする。この最先端のロボットを“装着”して、いま歩いているのだという自負がある」→ くも膜下出血から生還した神足裕司氏のロボットスーツ体験記│NEWSポストセブン – http://t.co/o8Zza6YX9R
くも膜下出血から生還した神足裕司氏のロボットスーツ体験記│NEWSポストセブン http://t.co/dq4IpZTPNV #postseven 障碍者の方に希望の風が吹いたように思いました。アトムみたいでかっこいい。
「一度、死んでみました」広島同窓会は泣けた。
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早く国内で医療保険適用対象にならないだろうか。HALで実績が積めれば他の機器にもチャンスは広がるだろうに。|くも膜下出血から生還した神足裕司氏のロボットスーツ体験記│NEWSポストセブン http://t.co/GnZnydJBMe
脳血管の病気による麻痺は、「体が動かない」のではなく「体の動かし方が分からなくなる」ので表現し難い。それを分からない素人の的外れな助言は多かったりする。
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HAL,試したいですよね〜>>くも膜下出血から生還した神足裕司氏のロボットスーツ体験記│NEWSポストセブン http://t.co/R2PkTssoin #postseven
ここまでではないけれど、さくまも障害が残っているので、早くお元気になってほしいなあ。 *くも膜下出血から生還した神足裕司氏のロボットスーツ体験記│NEWSポストセブン http://t.co/DyKRQETbLr #postseven
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すげーよ、コウタリン!
“@YKOHTARI: くも膜下出血から生還した神足裕司氏のロボットスーツ体験記 – http://t.co/N4fgfu2jRL #GoogleAlerts”こんな進化って素晴らしい、最近は、日本も便利になり過ぎて、なーんて思ってましたがただの進化ではない進歩はやはり素敵です
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コータリンがいつの間にやらサイボーグに? http://t.co/hHKq9MBjCS
私もこんなロボットを作りたいな。 【くも膜下出血から生還した神足裕司氏のロボットスーツ体験記 – NEWSポストセブン】 配信元:http://t.co/eEcCkIIeBJ http://t.co/PeTSskYJXH