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出口治明の提言:日本の優先順位
【第116回】 2014年5月21日
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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長兼CEO]

人口は減少、生産性は先進国で“ひとり負け”
わが国が置かれている現実を直視しよう

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 5月13日、政府の「選択する未来」委員会は、これまでの議論の中間整理(案)をとりまとめて公表した。問題意識は鮮明で「現状のまま何もしない場合には、極めて厳しく困難な未来が待ち受けている」が、「制度、政策、人々の意識が速やかに変わるならば、未来は変えることができる」というものだ。それはおそらくその通りであろう。

生産年齢人口は46年後の
2060年にほぼ半減する

 まず、わが国は今後50年、人口減少社会が続く。現状の出生率が続いた場合、次表の通り、わが国の人口は2060年には現在の約2/3の水準まで落ち込む。

(出所:内閣府HP 平成26年5月「選択する未来」委員会 以下同様)
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 ただし、中間整理(案)は、「2030年までに合計特殊出生率が、2.07に回復する場合、わが国の人口は50年後に1億人程度、さらにその一世代後には微増に転じる」と指摘している。これを生産年齢人口でみると次表の通りとなる。

 2013年の生産年齢人口(15歳~64歳)は約7900万人だが、2060年にはこれが、約4400万人となり、実に1/2強の水準(56%)まで落ち込む。総人口よりも生産年齢人口の落ち込みの方が、はるかに激しいのである(12ポイントもの差がある)。新生産年齢人口(20歳~70歳)でみても2013年の約8300万人から約4800万人まで低下するので、その水準(57%)は、ほとんど変わりはない。しかしわが国の現状に鑑みれば、20歳~70歳を生産年齢人口として把えること自体は十分合理性があると思われる。ただし、「2030年までに出生率が2.07に回復し、かつ新生産年齢人口で見た場合、2060年の新生産年齢人口は約5600万人規模となり(2013年の67%、約2/3の水準)、その後は同規模で推移」する。

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出口治明 [ライフネット生命保険(株)代表取締役会長兼CEO]

1948年、三重県美杉村生まれ。上野高校、京都大学法学部を卒業。1972年、日本生命保険相互会社入社。企画部や財務企画部にて経営企画を担当。生命保険協会の初代財務企画専門委員会委員長として、金融制度改革・保険業法の改正に従事。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て同社を退職。その後、東京大学総長室アドバイザー、早稲田大学大学院講師などを務める。2006年にネットライフ企画株式会社設立、代表取締役就任。2008年に生命保険業免許取得に伴い、ライフネット生命保険株式会社に社名を変更、同社代表取締役社長に就任。2013年6月24日より現職。主な著書に『百年たっても後悔しない仕事のやり方』『生命保険はだれのものか』『直球勝負の会社』(以上、ダイヤモンド社)、『生命保険入門 新版』(岩波書店)、『「思考軸」をつくれ』(英治出版)、『ライフネット生命社長の常識破りの思考法』(日本能率協会マネジメントセンター)がある。

ライフネット生命HP

 


出口治明の提言:日本の優先順位

東日本大地震による被害は未曾有のものであり、日本はいま戦後最大の試練を迎えている。被災した人の生活、原発事故への対応、電力不足への対応……。これら社会全体としてやるべき課題は山積だ。この状況下で、いま何を優先すべきか。ライフネット生命の社長であり、卓越した国際的視野と歴史観をもつ出口治明氏が、いま日本が抱える問題の本質とその解決策を語る。

「出口治明の提言:日本の優先順位」

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