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 東京電力福島第一原発の汚染水を処理する多核種除去設備ALPS(アルプス)で20日、運転を続けていた最後の1系統でも異常が見つかり、全系統で処理が止まった。昨年3月に試運転を始めてから運転と停止を繰り返してきたものの、全系統で不具合が重なるのは初めて。タンクにたまった高濃度の汚染水を今年度中に処理するという国と東電の目標の達成は心もとない状況だ。

 ALPSは、幾重も吸着塔を連ねた設備で、汚染水からストロンチウムなど、ほとんどの放射性物質を取り除く。A~Cの3系統あり、1日計750トンを処理する能力がある。ただ、処理しても放射性物質であるトリチウム(三重水素)は残るため、タンクに保管が必要な汚染水の総量は減らない。万一漏れた場合の危険性を低くすることなどを目的としている。