デザイナー水戸岡さん公開対談 ななつ星への思い
2014年05月20日 13時15分
豪華寝台列車「ななつ星」をはじめJR九州の特急列車を多数手がけてきたデザイナー水戸岡鋭治さん(66)と樋渡啓祐武雄市長の公開対談が17日、武雄市の武雄市図書館・歴史資料館であった。公共性の高い仕事に必要な価値観や、やりがいなどについて意見を交わした。
水戸岡さんは公共物をデザインする心得を「エゴを捨て、みんなにとって本当に心地いい物を作ること」と説明。「多くの人の夢や考え方を取材し、時代の用と美を考え、形、色、素材、使い勝手に置き換える。JR九州にも『私はJR九州の立場ではなく、利用者の代表としてデザインしたい』と言ってきた」と語った。
「ななつ星」については「理想を選ぶことでどんどん出てくる不都合を、一つ一つ解決するうちに完成した、という感じ。多くの人の情熱や手間暇などが凝縮している」と深い思い入れを紹介。仕事のやりがいについては「列車に乗った子どもが中で走ったり、大人もうれしそうにしている瞬間が幸せ」と話した。
対談は、同館で開かれている「JR九州鉄道デザイン展」に合わせて開催。水戸岡さんのサイン会もあり、ファンが行列をつくった。展示は6月1日まで。