2004年7月17日
トンデモの王様「と学会」−山本弘の偏執的な反日思想

 

 

 日本叩きが盛んな頃、「陰謀がいっぱい」という本があった。古今東西の陰謀説を集めた・・・という触れ込みで、ユダヤ陰謀説とかの類がいくつも並んでいるのだが、どうにも足りないものがある。「ライジングサン」のような、当時、瘴蕨を極めていた日本陰謀説の類が、全く出てこないのだ。あの、「シオン議定書」と並ぶ陰謀偽書である「田中議定書」の田の字もない。

 日本陰謀説は、大戦前から欧米で盛んに宣伝された有色人種差別の典型だ。その成果こそが排日運動の蔓延であり、ついには後の戦争に至るまでに日本を追い込む流れに、大きな役割を果たした事は言うまでも無い。

 その凶悪な偏見思想は戦後も生き残り、80〜90年代のアメリカの日本叩きとともに再増殖し、アメリカ内外で有力政治家が真顔で論じていたものだ。日本潰しが成功する90年代半ばにようやく反論が増えるようになって、霍見氏などは「自分が論破してやった」とか。それまでは、まるで「疑われる日本が悪い」とでもいうような扱いだった。

 

 こういう糾弾すべきものを放置する代わりに、この自称陰謀論批判本が扱ってるものには、何故か日本人が書いたものがやたら多く、ユダヤ関連なども、本家のアメリカを差し置くような扱いだ。中でも笑えるのは、何故か「ジンギスカン義経説」が登場する事だ。トンデモには違いないとしても、どう「陰謀説」なのかと思ったら、その結論が「ジンギスカン義経説は日本による世界支配を正当化する陰謀」だという・・・。陰謀説を批判する本が、自分で陰謀説を提唱してどうするのだろうか。

 

 最近出た、「とんでも本の世界T」において、韓国の反日トンデモ本を扱った記事を出た。「日本語で書かれないので、今までその存在を知らなかった」などと言い訳たっぷりに書いているが、「ムクゲの花が咲きました」などは、あれだけ話題になり、日本語版も出ている。「と学会」の山本弘氏も、こんな情けない言い訳をしなくとも、認識を改めたのなら大いなる進歩としてほめてやるのに・・・。

 ところが「韓国人を笑うのは間違いだ。日本だって同じじゃないか」などと、わざわざ日本を引き合いに出して、韓国を擁護しているのだ。それどころか、まるで韓国のトンデモ本が日本に影響されて出てきたかのようなトンデモ記事になっている。山本弘というのは、そういう偏執的な反日人間なのだ。

 で、引き合いに出したのが、なんと「竹内文書」だから大笑いだ。カルトの経典と、韓国全土を共感の渦に巻き込んだベストセラーを同列に扱おうという図々しさはどうだ。

 「日本に勝ちたい」という韓国人の空しい願望を指摘すると同時に「日本だってアメリカに勝ちたい願望が現れてるじゃないか」と言うのだが、どうやら「紺碧の艦隊」のことを言っているらしい。こういう誤魔化しが通用すると思っている所が山本氏の愚かな所以だ。「紺碧」のような、過去を舞台にした「もしも」話と、「ムクゲ」以下の韓国に多い「近未来モノ」とでは、全く意味合いが違うのだ。韓国人の妄想によって描かれた「都合のいい歴史」は、これから自分達自身が体験する・・・という設定になっている。一方、いくら過去に遡ったパラレルワールドでアメリカに勝ったとしても、既に決まってしまった「現在」にいる自分達が、それを体験することは不可能だ。こんなもので「コンプレックスを慰める」ことができるという、山本弘という人は、実にお目出度い頭脳構造を持っているようだ

 

 そもそも「ムクゲ」のような本が問われているのは、韓国人の、「日本を屈服させる」ためだからと、核兵器ですら礼賛するような、異常な感性自体だろう。「紺碧」の発想の主軸である「親日派政権に委ねて中国から撤退」とかいうような「賢い戦い方をすべきだった」というものと同列に扱えるものでは、到底ない。せいぜいが、時代にそぐわないハイテク兵器が出てくる程度で、「ムクゲ」の異常さに対抗できるなどと考えることこそ、山本氏のトンデモな所以だろう。

 中華思想的な自国中心主義を「植民地時代に日本が押し付けたもの」などと、中華思想・・・なかんずく韓国式中華独善思想である「小中華」こそ、李王朝期に朱子学によって根付いた生粋の韓国文化である事実すら知らず、それすら日本に責任転嫁する。韓国のトンデモを批判します・・・などと銘打っておいて、「日本の価値あるものは全て韓国起源、都合の悪いものは全て日本が押し付けた」などという典型的な韓国トンデモ学説を恭しく押し頂くとは、全くもって笑うしかない恥曝しだ。

 

 こうした韓国のトンデモ本思想がどこから来るのか・・・。自国文化の根底に対日憎悪を据え、国家総動員で反日政策を推進するような民族体質の産物ではないか。到底「どこの国にもある」などと言える代物ではない。ましてや、それをよりによって「韓国のトンデモ文化の元祖は日本・・・本来はトンデモなど出てくるような愚かな国ではない」とでも言うような、まさしくトンデモな責任転嫁。そういう山本氏的な排日サポーターこそ、韓国のトンデモな反日運動を元気づけ、あの見苦しいトンデモ文化を培養してしまった現実を、山本氏は開き直って正視しないのだ。

 

 アメリカ保守派の垂れ流す妄想を真に受けるやつがいる・・・というだけの、日本の「ユダヤ陰謀説」をもって、韓国の反日と同列に見なすのもそうだ。そういう「外国の受け売り」が幅を利かすような精神構造こそ、山本氏を代表とするような、日本人を卑下したり加害者扱いしたりして、外国の風下に立たせようとする人達の主張の産物ではないのか。

 

 要するに、「日本は笑われるための存在であって、陰謀説の被害者として他国の人を笑うなどトンデモナイ」という醜い固定観念が露骨に表れている。というより、都合の悪い思想を「トンデモ」と称して揶揄する姿勢が見え見えだ。「トンデモ=議論無しに否定すべきもの」というレッテルを貼って、イメージ的に攻撃しているだけの代物・・・早い話が「強弁の論理」だ。「ゴーマニズム宣言」などの、単にありふれた外国の国家思想や民族情緒を日本に当てはめた代物でしかないものを「トンデモ」と称するなど、その典型だろう。

自分達を「学会」と証して、あたかも権威ある立場のように偽装する「と学会」の見苦しい姿勢は、同類を探すとすれば「単に学会と言うと自分達のことを指す」と仲間内の約束事を持つ、某カルト集団くらいなものだろう。権威を称して他者を排斥する彼等の姿勢は、まさに「トンデモな抑圧者」そのものだ。

 


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