革新的企業のCEOが若い理由は「会社に対する考え方」が違うため
もし会社でイノベーションを加速させようとしているなら、 若いCEOを獲得するとよいかもしれません。その理由は、MIT(マサチューセッツ工科大)とペンシルベニア大の経済学者たちによる最近の研究に基づいていますが、その研究は特許の引用数とCEOの年齢を比較して結論を導き出しました。
ナショナル・パブリック・ラジオ(アメリカの公共ラジオ放送)が報告するように、新しい医薬技術など、今までの常識を覆す特許は、他の研究の基礎となるものです。
特許の引用数というのは、ある特許が、他の研究に引用された回数を示しています。特許の中には、見当違いで棚上げされる特許もあることもあります。特許の引用数を数えることによって、どの特許が実際に影響力があるかが分かるのです。
何百ものアメリカ企業のCEOの年齢を見て、この経済学者たちは、CEOの年齢と今までの常識を覆すイノベーションの可能性との間に強い関連性があることを発見しました。
つまり、CEOが若ければ若いほど、今までの常識を覆すイノベーションが生まれるということです。CEOが交代したときにも同じことが言えました。より若いCEOが招かれたときに、今までの常識を覆す特許が生まれる可能性が高まったのです。
なぜ違いが生まれるのでしょうか?
この研究の指導的立案者であるダロン・アシモグル教授は次のようにコメントしてます。「年をとったマネージャーにとっては、会社は赤ん坊のようなものです。赤ん坊に怪我をさせてしまうことをとても懸念します。しかし、若いマネージャーにとっては、そうした偏った考え方も、精神的な負担もありません。ですので、もっと過激な発想で、このブランドを打ち切りましょう、この技術は忘れましょう、新しい方法に変えてみましょう、ということができるのです」
しかしながら、すべての組織が20代の人材をヘッドハンティングすべきだというわけではありません。かなり成熟した業界で、すべてをめちゃくちゃにしたい子供を招き入れてしまうのはおそらく過ちであると、研究者たちは早々に警鐘を鳴らしています。
Here's Why Innovative Companies Have Such Young CEOs|Inc.
Drake Baer(訳:Conyac)
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- 長谷川 和廣|プレジデント社