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梅毒患者の報告数、昨年上回るペース−東京が最多、愛知でも急増

医療介護CBニュース 5月20日(火)17時48分配信

 梅毒患者が昨年を上回るペースで増えていることが、国立感染症研究所がまとめた患者報告で分かった。今年の患者報告数(11日現在)は471人で、昨年同期に比べて1.3倍となっている。特に愛知県では昨年1年間の報告数とほぼ同数の50人を記録。県は「発生状況に注意を払っていきたい」としている。【新井哉】

 今月11日までの都道府県別の患者報告数は、東京が最も多く146人を記録。以下は大阪(65人)、愛知(50人)、神奈川(29人)、千葉(15人)、栃木と北海道(14人)、福岡(13人)、埼玉(12人)、静岡(11人)、宮城(8人)などの順。

 全国最多を記録した東京都では、患者の83%を男性が占め、年齢別でも30―39歳の男性が最も多かった。また、病型別では早期顕症梅毒(?期)が46%、無症候梅毒が31%を占めた。推定感染経路では、同性間の性的接触の割合が42%で最も多く、異性間も38%を占めた。

 報告数の多かった自治体では警戒を強めており、11日までに昨年1年間(54人)とほぼ同じ報告数となった愛知県では、今後も県内の保健所管内の発生動向を注視していく方針。また、梅毒の早期発見や治療につなげようと、無料の抗体検査を行う自治体も出てきた。発生届け出数が東北地方で最も多い宮城県は、今月から県内の保健所など9か所で梅毒の抗体検査を開始。感染の心配がある人に対して検査を受けることを促している。

 梅毒は性交渉時の接触感染が主流で、感染すると2―3週間後からリンパ節炎や皮膚症状が現れ、治療しないと症状が段階的に進行。妊娠している人が梅毒に感染した場合、流産や死産の原因となることもあるという。感染症に詳しい川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は、「欧米でも、梅毒の流行状況などへの関心が高まっている」と指摘。生殖年齢層が感染すると、その出生児も感染する恐れがあることなどを挙げ、「早期診断によって適切な治療につなげることが重要」としている。

最終更新:5月20日(火)17時48分

医療介護CBニュース

 

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