PC遠隔操作の片山被告「死に場所探していた」 保釈取り消し身柄拘束

2014.05.20


弁護士事務所を出て車に乗り込む片山被告=20日午前、東京都港区【拡大】

 4人が誤認逮捕されたパソコン(PC)遠隔操作事件が急展開だ。一貫して無実を訴えていた元会社員、片山祐輔被告(32)=公判中=が一連の事件について「私が真犯人です」と弁護士に認めていたことが20日、分かった。16日に「真犯人」を名乗るメールを送ったことも認めた。東京地裁は20日、片山被告の保釈取り消しを決定。東京地検が身柄を拘束し、再勾留の手続きに入った。

 「一連の事件、すべての真犯人です」。所在不明だった片山被告は19日夜、主任弁護人の佐藤博史弁護士に電話で打ち明けたという。佐藤弁護士は「都内の森の中をさまよい死に場所を探していた」「線路に飛び込もうと思った」などと自殺をほのめかす片山被告に対し、思いとどまるように説得。片山被告は「死のうと思ったが死にきれなかった」という。

 真犯人を名乗るメールを送り、スマートフォンを河川敷に埋めたことも認めた片山被告は、隠蔽工作の動機については、「母親が心配している。早く裁判を終わらせたかった」と話したという。

 片山被告は20日午前、東京地検の職員に付き添われて弁護士事務所を出発。黒地にボーダー柄のポロシャツを身につけ、薄ら笑いのような表情を浮かべて、検察の車両に乗り込んだ。

 捜査関係者によると、スマホには「真犯人」を名乗って16日に送信されたメールの全文が残り、片山被告のDNA型が検出された。警視庁はメールについても脅迫容疑での立件を視野に事情聴取する。

 東京地検は身柄拘束後、被告を東京拘置所に収監する。保証金が没収される場合もある。弁護側は取り消しを不服として抗告できるが、取り消しが覆り確定するまで身柄は拘束される。

 片山被告が犯行を認めたきっかけとなったのは、16日に報道各社などに届いた「真犯人」を名乗る新たなメール。文面が残ったスマホを埋める片山被告を警視庁の捜査員が目撃しており、捜査関係者は「墓穴を掘ったのだろう」と語った。

 警視庁はメールが送られた後、埋められていたスマホを発見。17日に令状を取って内容を確認し、メールの全文を見つけた。22日の公判で片山被告側は一転して起訴事実を全面的に認める方針。

 「自由はまぶしい」。2013年の逮捕から1年後の今年3月5日に保釈され、そう語った片山被告はわずか2カ月で保釈を取り消された。

 ■PC遠隔操作事件 何者かが他人のパソコンに外部から操作できるウイルスを感染させるなどし、その人に成り済まして掲示板に書き込んだり、メールを送ったりして犯罪予告をした事件。警視庁と神奈川、三重、大阪の3府県警が計4人を誤認逮捕した。「真犯人」を名乗る人物は報道機関などに手口の詳細を記載したメールを送信した。昨年2月に逮捕され、小学校の襲撃予告や伊勢神宮の爆破予告をしたなどとして計10事件で起訴された片山被告は関与を否定し、今年3月に保釈されていた。

 

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