PC遠隔操作事件:「謝罪を」 誤認逮捕の被害者
毎日新聞 2014年05月20日 13時44分(最終更新 05月20日 14時26分)
片山被告が一連の事件への関与を認めたことに、誤認逮捕の被害関係者からは謝罪を求める声が相次いだ。
三重県警に誤認逮捕された津市の男性(29)の祖父は「(孫は外出しているため)会っていないが、安堵(あんど)しているだろう。片山被告は人としてあり得ないことをした。誤認逮捕された関係者の家を一軒一軒回って謝るのが筋だ。裁判では真実をすべて語り、反省してほしい。この事件を通じて、警察の捜査のやり方の問題点も浮かんだので、改められることを期待したい」と話した。
大阪府警に誤認逮捕されたアニメ演出家の男性(44)の父親(73)は「一報はテレビのニュースで知った。『やっぱりか』という思いだ。もう隠しても意味がない。片山被告は全てを話し、罪を償ってほしい」としたうえで、「警察は無実が明白だった息子を逮捕した。今度こそしっかり捜査し、全容解明に努めてほしい」と注文をつけた。【永野航太、千脇康平】
◇ジャーナリストの大谷昭宏さんの話
片山被告は世間を混乱させることに喜びを感じ、愉快犯的な部分があったのではないか。捜査当局はそうした被告の特性を見破り、保釈中も行動確認をしていたのだろう。冤罪(えんざい)を主張していた弁護団らのダメージは大きい。片山被告の一連の行為は、本当の冤罪被害者を傷つけるもので非常に罪深い。
◇PC遠隔操作事件を取材してきたジャーナリストの江川紹子さんの話
片山被告が自分が真犯人だと認めたことが事実だとすれば何でそんなことをしたのか分からない。ただ、一連の事件で誤認逮捕など捜査当局の問題が出てきたのは事実。「結果良ければ全て良し」として捜査側の問題がスルーされたらそれは違うと思う。