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2010.10.29(金)  
vol.84 共に力を合わせて 平和と友好の100年を

 一足飛びに冬景色となってしまった今年の初雪。定山渓で開かれた南区連合町内会の役員会に出席した帰り道は、沿道の樹木が大量の雪の重みに耐えかねて倒れ道をふさぐ事態となり、驚ろかされました。季節の移ろいの中で豊かな秋の季節を味わいたいところですが、厳しい冬に向けたそなえも本格的にしなければなりません。
 さて去る10月22日には札幌市と韓国・大田(テジョン)広域市との姉妹都市提携が無事に終了しました。札幌市にとってロシア・ノボシビルスク市との姉妹都市提携以来20年ぶり5番目の姉妹都市が誕生しました。
 地理的に近く歴史的関係性も深い韓国と、札幌市がなぜ今まで姉妹都市関係がなかったか。誰もがなんとなく気づきながら、あからさまには述べない。抑圧された側・抑圧した側、双方のこだわり、胸のうずきがそこにあったからだと私は思います。
 22日、ヨム・ホンチョル大田市長をはじめとして52名の大田市訪問団並びに韓国から8社のメディア、200名を越える札幌市民の参加のもとに挙行された姉妹都市提携調印式。私は次のようなあいさつをしました。
「折しも、今年2010年は「日韓併合条約」から100年を数える年であります。かつて、わが国が行った植民地支配という歴史の事実と韓国国民の心の痛みを、私たちは決して忘れてはなりません。その上で、この日韓に横たわる過去を克服することができるのは、市民の力によるほかはないと、私は思っております。過去を真摯に見つめつつ、平和な世界を望み、明るい未来へ向けて共に歩んでいこうとする、両国の市民一人ひとりの強い意志こそが、国家間の問題を乗り越える唯一の道であると、私は確信しております。札幌市と大田広域市が姉妹都市提携を行う意義はここにもあると思っております。」この調印が「札幌と大田両市民の、新しい友好の未来へと踏み出す決意の表れでありたいと、私は心から望んでおります。・・・両市民がともに手を携え、互いの発展のために協力しあい、・・日韓両国の次の100年が、平和と友好の100年となるよう、共に力を合わせていこうではありませんか。・・・」
 大田市はソウルから新幹線で約1時間。市民の皆さんにとって距離的な近さが心情的な近さに直結するよう、札幌市としても努めていきたいと思います。
 また、大田市とノボシビルスク市は既に姉妹都市だそうで、札幌市が加わることによって三市間の交流も盛んになることが期待されます。

 調印式が終わった日の夜、大田市長主催の夕食会が開かれました。大事が終わった開放感もあって韓国の流儀によってお酒を飲み交わすことになりました。テジョンから持参した焼酎をサッポロビールで割った「サッポロ・テジョンビール」を連続11回(11人の円卓であったため)一人ずつ乾杯の発声をして全員が一気に飲み干す洗礼を受けました。私、酒はたしなむ程度なのですが、友好ムードで断りきれず、11杯飲んだところで退散。市長職も命がけです。そんなこんなで、韓国との新しい関係が始まりました。
 そうそう、ヨム市長さんが市役所にお出でになったとき、一階ロビーに開設した「元気カフェ」に立ち寄られ、お茶を飲んでいかれました。後に私から、「元気カフェ」は障がいを持った人たちの就労の場として札幌市が支援して経営されているものだということを説明しました。市長は大変驚くとともに、極めて高い関心を示されて、早速大田市でも研究して同じような事業実現に向けて努力したいと述べておりました。札幌市の取り組みが、姉妹都市に広がる。楽しみなことです。

札幌市長  上 田 文 雄

※札幌市―国際交流―「韓国・大田広域市との姉妹都市提携」のページを是非ご覧下さい。『大田広域市』のホームページのご案内もあります。
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