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シリーズ『日本の中の渡来文化』…10年がかり4作完成
金床憲さん

絵本で見る百済と日本の交流
在日同胞が自費出版

 大阪市生野区を舞台に、百済と古代日本の豊かな関係を掘り起こしてきた金床憲さん(51、千葉)が、絵本で見る「日本の中の渡来文化」シリーズ全4作を自費出版した。制作着手から約10年がかりの労作だ。金さんは「日本の成り立ちをつくったのは渡来人だ。嫌韓キャンペーンのはびこるいまだから、在日同胞の子どもたちに自負心を持ってほしかった」と話している。

 大阪市生野区にはかつて「猪飼野」という旧番地があった。百済からの渡来人が住み着いた地域として知られ、古事記や日本書紀にも記されている。

 猪とは祭祀に欠かせない豚を意味する。すなわち、豚を飼っている人たち(猪飼部)が住んでいた地域という意味だ。豚は渡来人が祭祀に使うために持ち込んだもの。そばには「百済川」が流れ、大陸へ渡るための玄関口でもあった。

 こうした生野の歴史を絵本化したのが処女作となった『猪甘津猪飼野千六百年』だ。パソコンを図書館に持ち込み、資料を読みこなしながら約2年がかり。05年9月に完成した。

 以降も『生野長者の千四百年』(07年)、『百済の贈り物 ラクダの動物園』(09年)、『河内飛鳥の昆支王』(13年)とほぼ2年おきに制作し、WEB上で公開してきた。いずれも物語は生野区を起点としている。

 金さんにとって歴史とは「解釈学」というのが持論。その点、シリーズ第4作『河内飛鳥の昆支王』は、百済と飛鳥の関係について金さんなりに踏み込んだ解釈を加えた自信作という。尊敬するのは朝鮮通信使研究の草分け的存在である辛基秀さんと、渡来人という言葉を日本に定着させた一人、作家の金達寿さん。

 金さんは東京韓学卒業後、韓国の成均館大学で学んだ。85年度には母国修学生会会長も務めた。83年の夏休みに大阪市生野区の友人宅を訪れた際に、貨物ターミナルである「百済駅」の看板を見てから百済と日本の関係に興味を持つ。在日の側から「ほんとうの歴史や文化」を日本と韓国に発信していこうと、大学卒業後の90年から本格的に歴史を研究するようになったという。

 各400円(税別)。問い合わせ先はメールでkudara62@gmail.com 金床憲さん。

(2014.5.7 民団新聞)
 

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