集団的自衛権:20日に与党協議 公明「景気回復が優先」
毎日新聞 2014年05月19日 21時43分(最終更新 05月20日 00時20分)
◇石破幹事長、秋の閣議決定が「与党協議の出口だ」と明言
集団的自衛権の行使容認を目指す安倍晋三首相の指示を受け、自民、公明両党は20日、「安全保障法制整備に関する与党協議会」の初会合を開く。公明党幹部が19日、合意取り付けを急ぎたい政府・自民党をけん制する一方、自民党の石破茂幹事長は与党協議後の対応にも言及。臨時国会召集の秋までを念頭に、集団的自衛権の行使容認を含む法整備の全体方針を閣議決定することが「協議の出口だ」と明言した。
自公両党は、公明党が反対する憲法解釈による集団的自衛権の行使容認をめぐる協議を先送りし、武力行使事態に至らない「グレーゾーン事態」や国連平和維持活動(PKO)など、憲法解釈の変更が必要ない協議からスタートする方針。両党には「集団的自衛権の問題については、これとは別に水面下で協議すべきだ」との声も出ている。
石破氏は19日、自民党本部で開かれた会合で、与党協議の進め方について▽「グレーゾーン事態」▽PKOでの自衛隊の武器使用権限拡大などの国際協力▽集団的自衛権の行使容認事例を含む武力行使活動−−の順番で議論する考えを示した。与党協議終了時の閣議決定の内容に関しては「法制全体の作業を開始させるためだ」「自民党は全体で進め、(事案ごとに)切り離す考えはない」と説明。集団的自衛権の行使容認やグレーゾーン事態など政府の全体方針を盛り込むことを示唆した。
しかし公明党は憲法解釈の変更を盛り込んだ閣議決定には慎重姿勢を崩していない。「出口論」をめぐっても協議が難航する可能性があり、公明党幹部は19日、政府・自民党を相次いでけん制。井上義久幹事長は同日の政府・与党連絡会議で「国民が何よりも望んでいるのは着実な景気回復だ」と主張。北側一雄副代表も京都市内の会合で、首相が表明した集団的自衛権の限定容認論に対し、「明確な基準がなく限定容認論といっても、どんどん広がる恐れがあり、そうなったら憲法9条がどうなるのか。歯止めを国民に提示しないといけない」と述べ、警戒感をあらわにした。
20日の初会合では、座長に自民党の高村正彦副総裁、座長代理に北側氏らを選定した後、政府から報告を受け、優先的に議論する課題などについて調整する。自民党は今後、毎週月曜日に会合を開く方針だ。【高橋恵子、高本耕太】