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 日米間の沖縄返還交渉に米政府高官として深く関わったモートン・ハルペリン氏(75)がこのほど来日し、朝日新聞のインタビューに応じた。主なやり取りは以下の通り。

 ――返還前の沖縄を訪れたと聞いた。

 「1967年のことだ。それが最初で最後の訪問になっている。今年9月に再訪の予定がある」

 ――当時の在沖米軍基地についての印象は。

 「ヘリコプターで沖縄全土を見た。理解してほしいのは、米軍は当時、『沖縄に基地がある』と思っていなかったということだ。『沖縄が基地』、島全体を一つの基地と見なしていた」

 ――世界で沖縄以外にそうした島、地域はあるか。

 「他に知らない」

 ――返還交渉で当時の佐藤栄作首相の「密使」役だった若泉敬氏の著作などを読むと、あなたは外務省北米一課長などを務めた千葉一夫氏らに「日本政府は沖縄についての考えをはっきりと米政府に伝えるべき時が来ていると思う」「米軍部を抑えるには返還日を決めて交渉をまとめる方がよい」などと伝えていた。あなたにとって沖縄返還のモチベーションは何だったのか。また、米国はなぜ返還が必要だと考えたのか。

 「米国にとって必要だったのではない。日本にとって、日米関係にとって必要だったのだ。長く複雑な話になる」