PC遠隔操作事件:片山被告「私が犯人」 メール自作自演
毎日新聞 2014年05月20日 12時10分(最終更新 05月20日 12時36分)
「私が犯人です」−−。パソコン(PC)遠隔操作事件で、逮捕時から公判に至るまで一貫して無罪を主張してきた片山祐輔被告(32)が弁護士に対し、事件への関与を認めた。警察による誤認逮捕という異例の展開からスタートした事件は、自作自演の「真犯人メール」で追い詰められた被告自身が関与を告白するという幕切れとなった。
片山被告は午前10時50分過ぎ、東京都港区の弁護士事務所で、検察庁の係官らに付き添われながら用意されたワゴン車に乗り込んだ。集まった約100人以上の報道陣の問いかけには応じなかったが、終始笑顔だった。
20日午前、事務所前で報道陣の取材に応じた佐藤博史弁護士によると、片山被告は前夜の19日午後9時半ごろに電話をかけてきて「死のうと思ったが死にきれません。申し訳ありませんが、私が犯人です」と申し出たという。
片山被告は電車に飛び込もうとして、都内の線路沿いの場所から佐藤弁護士に電話したという。佐藤弁護士が3時間近くにわたり電話で説得し、20日になって佐藤弁護士の事務所に姿を現した。同日朝、佐藤弁護士から東京地検に連絡したという。
16日に「真犯人」を名乗るメールを送った理由について、片山被告は「母親が心配しているので裁判を早く終わらせたかった。真犯人が出てくれば無罪になると思った。警察官に見張られているとは思わず、ばれないと思っていた」と話しているという。また、誤認逮捕された4人に対しても20日朝、「申し訳ない」と謝罪の意思を示したという。
佐藤弁護士は「急な展開だが、虚偽を言い続けるべきではなく結果的に良かった。保釈取り消しはやむを得ない。次の裁判は全く違う展開になる」と話した。
4都府県の警察本部が誤認逮捕するという失態を犯し、長官が謝罪に追い込まれた警察庁。事件を機にサイバー捜査態勢の強化を全国で進め、警視庁などによる片山被告逮捕につなげたが、被告が真犯人は自分だと弁護士に名乗り出たことについて、幹部は「特段の感想はない。元々有罪になると思っていた事件」と話すなど一様に冷静に受け止めた。
今年2月に東京地裁で始まった公判では徹底抗戦の姿勢を示していたため、片山被告の事件への関与を疑う一部報道もあったが、捜査幹部は「捜査には自信があり、真犯人を装うメールが16日に届いても無罪かもしれないというような不安はまったくなかった」と振り返る。