PC遠隔操作事件:片山被告、4事件すべての関与認める

毎日新聞 2014年05月20日 10時17分(最終更新 05月20日 11時33分)

検察庁の保官らと弁護士事務所が入ったビルを出る片山祐輔被告=東京都港区で2014年5月20日午前10時53分、竹内紀臣撮影
検察庁の保官らと弁護士事務所が入ったビルを出る片山祐輔被告=東京都港区で2014年5月20日午前10時53分、竹内紀臣撮影

 ◇「真犯人」メール送信も、保釈取り消し

 パソコン(PC)の遠隔操作事件で、威力業務妨害罪などに問われている片山祐輔被告(32)が弁護人に「私が真犯人です」と事件への関与をすべて認める説明を始めたことが分かった。現在の弁護団を解任し、国選弁護人の下で裁判を続ける意向を示したという。片山被告は「真犯人」を名乗るメールを16日に報道関係者らに送りつけたことについても認めており、東京地裁は20日、保釈の取り消し請求を認める決定を出した。直ちに勾留手続きに入るとみられる。

 関係者によると、片山被告は、主任弁護人の佐藤博史弁護士に「申し訳ありません」などと謝罪し、起訴された事件について、これまでの無罪主張を撤回し、自身の関与を認めた。真犯人を名乗ったメールについても、自身が送ったことを認めた。その上で、「これ以上お願いするわけにはいかない」などとして弁護人の解任を申し出たという。20日は朝から佐藤弁護士の事務所を訪問し、今後の打ち合わせをしているとみられる。

 メールは片山被告が東京地裁の公判に出廷していた16日午前11時半過ぎに送信された。公判後の記者会見で、被告はメールについて「私の知らない秘密の暴露があり、信ぴょう性が高い」とし、「私はメールを送っていない」と自身の関与を否定していた。

 だが、警視庁の捜査員が15日夕、片山被告が東京都江戸川区の荒川河川敷で何かを埋めている様子を確認。現場からスマートフォンが見つかり、同じ文言のメールが送信されていることが確認された。スマホからは片山被告のDNA型も検出され、メールが自作自演との見方が強まった。このため東京地検が19日に保釈取り消しを請求していた。

 起訴状によると、片山被告は2012年6〜9月、遠隔操作ウイルスに感染した福岡県の男性のPCを使って東京都内の幼稚園に「始業式を狙って襲ってやる」とのメールを送信するなど、計9件の犯行予告をしたとされる。福岡の男性を含む計6人のPCを感染させたウイルス供用罪でも起訴されている。

 一連の犯行予告事件では、警視庁、大阪、神奈川、三重の4都府県警が男性4人を威力業務妨害などの容疑で逮捕した。しかし、PCが遠隔操作されていたことが判明し、誤認逮捕を認めた警察は4人に謝罪した。

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