株式投資には色々な手法がありますが、本来の株式とは応援する価値があると思える会社の将来を見込んで投資をするものです。
短期間での見返りを望むのではなく、自分が本心から「良い!」と思える会社の株を買う。単純ですがそんな投資は成功する確率が高いです。
しかし、これから株式投資を始めたいという方にとって本格的な長期投資の話はとっつきにくいことでしょう。そこで、最初は誰でも比較的気軽にできる株式の楽しみ方として株主優待に関して3つの話をしようと思います。
- 株主優待のお得銘柄
- 優待券を実質タダ取りできるクロス取引
- クロス取引のリスク(逆日歩)
株主優待は、よくよく探すと本当にお得なものがたくさんあります。しかも、「クロス取引」というテクニックを使えば、そうした優待を実質タダで取得することができます。もちろん株式投資にノーリスクの投資というのは存在しません。クロス取引にもリスクがありますので、それもご紹介させて頂きます。
株主優待だけでも投資に関して学べることは意外と多いものです。これが株式投資に興味を持って頂く機会になれば私も嬉しく思います。
株主優待の厳選お得銘柄82社
株主優待の内容は、サービス提供・食品・金券・化粧品・施設利用権利・ポイント付与など様々です。そして株主優待がある企業の数も1,100銘柄以上あります。その中から、特にお得な銘柄を価格別に厳選しました。
増税直後で出費の多い今だからこそ株主優待の権利を上手に活用すると家計にも役立ちますね。
この中でもお得度だけで考えて、個人的におすすめの優待ベスト3はこの3つです。
おすすめ優待No1:わずか9か月で元が取れるダイエー
わずか14,450円の投資額で常に5%割引(半年で20万円までの買い物が対象)になるため、月に5回、1回当たり6~7千円程度買う主婦・ユーザーなら、9か月で投資金額と同じ金額分の割引を受けることができてしまいます。普段自分が使っている施設の株を買う。これは株主優待のコツの1つです。
おすすめ優待No2:高級リゾートホテルライフをタダで!レオパレス21
レジャー系企業の株主優待は、割引金額が高いものが多いのが特徴です。中でもレオパレス21は、リゾートホテルやレオパレスリゾートグアムの無料宿泊券が2枚、そして国内全国8箇所の系列ホテル宿泊半額券が2枚を年に2回もらえます。家族サービスも良いですし、転売し換金することもできます。
おすすめ優待No3:ランチ代をタダに!サラリーマンの強い味方 吉野家
吉野家の株主優待の場合、370円の朝定食から定番の牛丼まで、食事券300円分×10枚を年に2回(計6000円分)ももらえます。
それでは、こうしたお得な優待を実質タダで取得できるクロス取引という手法をご紹介します。「そんな方法あるの?」と思われるかもしれませんね。信用取引で扱える銘柄に限られますが、株の仕組みを利用した手法です。
優待を実質タダで取得する「クロス取引」
株主優待のついている株は優待確定日の翌日は値を下げる傾向が強くあります。特に、優待券目当てで購入する人が多い株式ほど大きく値を下げます。優待確定を待っていた人が、株を売りたがるからです。
場合によっては、実際に受け取ることのできる株主優待分以上の損を受けてしまうこともありえます。しかし、クロス取引行うと、優待確定後に購入した時以上の価格で売ることもできます。つまり、実質タダで優待券を得られるということです。
簡単に方法をご説明します。
STEP1:
権利確定日当日の株式市場の売買取引が始まる前(前日の15:00過ぎから最終日の9:00前)までに、現物買い(購入)と信用取引の新規売り、両方の注文を「同じ株数」「成行価格」で注文を入れる。このように買いと売りを同時に入れる、ということで「クロス取引」と呼ばれています。
STEP2:
権利確定後、反対売買をする。(現物は売り、信用取引分は買い戻す。)
たったこれだけで完了です。仕組みを分かりやすく解説いたします。少しだけ専門用語が出てきますので調べてみて下さいね。
<クロス取引の仕組み>
例えば、3月25日に優待の権利を得られる企業、A社があったとします。
① 3月15日、A社株式100株を500円で購入(現物買い)。
② このままだと値下がりが生じる可能性がありますので、A社株式100株を同時に現物購入と同じ値段で信用取引にて新規売りしておきます(新規売りは値段が下がると利益の出る取引です。)
③ こうするとA社を500円で100株買った状態であると同時に売った状態(両建て)になります。
④ 両建ての状態では、株価の値段が動いても資産の合計は変わりません。つまり、値下がりリスクなく優待を手に入れられるということです。
これをやれば、いくらでも優待を得ることもできますが、株式投資に完全にノーリスクのものはありません。このクロス取引にも、当然リスクがあります。
クロス取引で売りに使う信用取引には、実は逆日歩と言う追加費用的なものがかかるケースがあります。売りの勢いが強い程、この費用は高くなります。逆日歩は1日ごとに発生するので、日本証券金融のホームページでチェックして、優待内容より逆日歩が高くならないよう目を光らせてください。
もうひとつの逆日歩回避策としては、「一般信用取引」という取引方法があります。扱い証券会社(松井証券やカブドットコム証券など)や対象銘柄が限られるのが難点ですが、逆日歩が一切発生しないのが最大のメリットです。
株主優待から株式投資に触れてみては?
今回ご紹介した優待リストの中に、きっと気になるものが見つかると思います。そしてクロス取引をうまく活用し、株主優待を実質無料で得られるようになると、株式投資の仕組みも分かってくることでしょう。
ある程度慣れてくると、株主優待で得た分の金額が実際に手元に残ることで、新たに優待取得の株の購入にまわせたりするので、複利効果で資産を増やすことにもつながります。
こうやって、ぜひ株式投資にも少しずつ触れてみてはいかがでしょうか?
谷山歩
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