トヨタ自動車やホンダなど国内の乗用車メーカー8社は19日、ディーゼルエンジンの性能を上げる技術を一緒に研究すると発表した。ディーゼル車は新興国で販売が伸びているが、国内メーカーの開発は遅れている。ライバルどうしの異例の「共闘」で、先行する欧州勢に対抗する。

 8社はほかに、日産自動車とスズキ、マツダ、三菱自動車、ダイハツ工業、富士重工業。今年4月、「自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)」を立ち上げた。2014年度は国の補助金5億円を含め、約10億円の研究費を使う。20年までに、二酸化炭素の排出を10年時点より3割減らすことを目標にする。

 軽油を燃料にするディーゼルは、排気量が同程度のガソリンエンジンより燃費が良い。国内では黒いすすをはき出すイメージが強いが、欧州では「クリーンディーゼル」と呼ばれる環境対応型が主流になっている。一方、日本勢はこれまで、ハイブリッド車などの開発を優先し、力を入れてこなかった。