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被告が真犯人であることがとうとう判明したと言える。理由は二つ。
(1) 直接証拠
直接証拠がある。
メールが送られる前日に片山被告が東京・江戸川区の荒川の河川敷を訪れて何かを埋めるのを捜査員が目撃し、その場を掘り返したところ携帯電話が見つかり、中にメールの文面などが残されていたということです。
メールは翌日の裁判への出廷中に送られるよう、タイマー機能を使って送られた疑いがあり、捜査当局は真犯人の存在を示すために片山被告自身がメールを送ったという見方を強めています。
( → NHKニュース 2014/05/19 )
16日午前に届いたメールは、片山被告のパソコンをウイルス感染させ、被告に罪をかぶせたとする内容だった。ウイルスの設計図入りの記録媒体を入れたビニール袋の購入先など事件の詳細を記しており、捜査関係者によると、文面の中には犯人しか知り得ない内容があったという。
( → 読売新聞 2014/05/19 )
警視庁によりますと、先週木曜日、片山被告が東京・荒川の河川敷にスマートフォンを埋めるのを捜査員が目撃していて、スマートフォンからは片山被告のDNAも検出されたほか、同じ文言の送信済みメールが残されていたということです。警視庁は午後7時過ぎから自宅を家宅捜索するなど裏づけを進めています。
( → TBS )
まとめると、こうだ。
・ メールには、犯人しか知りえない事実が記されていた。
・ メールを送信した携帯電話は、被告が埋めたものだった。
・ 被告の DNA やメールなどの物証も確認された。
ここから論理的に結論すれば、「真犯人は被告だ」となる。(厳密に言えば、真犯人に委託されて、被告が携帯電話を埋めた、という可能性もあるが、その場合には、真犯人の共犯者だということになる。……実際には、単独犯だろうから、共犯者ではなくて主犯だろう。)
(2) 状況証拠
以上は直接証拠だが、決定的ではない。一方、状況証拠では、決定的なものがある。
パソコンの遠隔操作事件で、被告の元会社員と弁護団は午後2時から会見を行う予定でしたが、被告は現在も会見場に姿を見せておらず、弁護団によりますと、連絡が取れなくなっているということです。
( → NHKニュース 2014/05/19 )
つまり、被告は逃亡中である。このことからして、もはや言い逃れの余地はなくなった、と見ていいだろう。ごくわずかにあった「真犯人でない可能性」も、この時点で完全につぶれたと見ていい。
( ※ 厳密に言えば、交通事故などで行方不明、ということも考えられるが、交通事故ならば、すぐに判明するから、交通事故の可能性は万に一つもない。兆に一つぐらいなら、あるかも。)
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というわけで、被告が真犯人であることは、もはや疑いもなく決定的になった、と言えるだろう。裁判をすれば、有罪になる率は限りなく 100%に近い。
ネットでも、もはや「真犯人だ」という扱いが多い。
→ 【遠隔操作事件】片山被告と連絡取れず (2ちゃんねる)
はてなブックマークでは、これまでは「警察による捏造だ」「冤罪だ」という声が圧倒的だったが、今では「失踪して自殺しないか」「変死体で見つからないか」という心配が多い。被告が真犯人であることを疑う声はろくにないようだ。
というわけで、真犯人が誰かということについては、もはや決着が付いたと見ていいだろう。
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で、何が言いたいか? 上記の話だけならば、ネットにわんさと書いてある。いちいち私が書く必要はない。
私が言いたいのは、次のことだ。
「この容疑者が真犯人であることは、私が容疑者逮捕の時点からすでに何度か指摘していた」
つまり、世間では「冤罪だ」という声が多かったが、私としては「彼が真犯人だ」と指摘していた、ということだ。(かなりの少数意見だったが。)
具体的には、下記で。
→ PC遠隔操作犯を逮捕
ここのコメント欄で、「容疑者が真犯人だという証拠がない」という声が寄せられた。そこで私は次のように見解を述べた。
紙の新聞を見ると、証拠はたっぷりです。最初のころに Tor を使わずに遠隔操作したときの記録もあり、そこから IP で容疑者のパソコンに行き着いたそうです。これが彼の言うミスだったのかもね。
「ミスしました。ゲームは私の負けのようです」
と発言するなんて、わざとミスを告白している。
これが 11月13日。その後に雲取山や江ノ島の動きが出る。自滅行為。
あえて、つかまえてほしかったんだろうか。
というより、Tor を経由しないミスをしたので、捜査の方針を混乱させるために、あえてゲームみたいなことを仕掛けて、ジタバタしたのかもしれない。これが雲取山と江ノ島のゲーム事件の真相だろう。
私の言うのは、次のこと。
「特定の一つの決定的な証拠(犯人の唯一性を示すもの)があるのではなくて、複数の弱い証拠(犯人の範囲を狭めるもの)がある。それらの複数の証拠がたくさん組み合わさると、それらの全体を満たす犯人としての蓋然性が高まる」
たとえば、Aという範囲とBという範囲が独自に定まって、その双方の範囲にいる人が、ただ一人だけだとしたら、その人が犯人である可能性は高まる。
同様に、C,D,Eという条件でも独立的に範囲が定まり、そのすべてに同一人物が当てはまるのならば、その人が犯人であることは決定的だと言える。直接的な証拠は不要。
(その人が無実である可能性が、1京分の1の、そのまた1京分の1ぐらいならば、無実とは見なせない。)
要するに、「彼が犯人だ」という決定的な証拠はなかったが、「彼が犯人である確率が高い」という証拠が複数見つかっているので、「それらの事象をすべてなした人」が容疑者以外である可能性は限りなく小さい、ということだ。
彼が犯人であるというよりは、彼以外の人が犯人である可能性は限りなく小さい、ということだ。こうして論理的に「彼が犯人である」という結論が得られた。
これは、論理による推論だ。私の推理力で「彼は犯人である」と推定したわけだ。
( ※ これは STAP 細胞のときに似ている。推理力によって「彼女が悪意ある捏造をしたはずがない」と推論した。)
( ※ 二つの事件では、いずれも、私が名探偵ふうに推理力を発揮したわけだ。)
なお、上記項目では、こう書いた。
うまく行ったからといって、図に乗って、調子に乗ると、「お調子者」として、こける。
これは、江ノ島事件について私が評したものだが、それと同様のことが、今回の「真犯人のフリをしたメール」についても当てはまる。せっかく保釈を勝ち得たのに、図に乗って、調子に乗ったから、「お調子者」として、こけてしまった。何もしなければまだしも、余計なことをするから、真犯人であることが確定してしまった。
懲りない人ですね。
( ※ スマホを埋めるために穴を掘ったことで、「墓穴を掘ったな」という感想を書いた人もいる。)
[ 付記 ]
「被告が真犯人である」ということは、以前も論じた。
PC遠隔操作の事件で、被告は「真犯人は別にいる」と主張した。では、真犯人は誰か?
………(論証いろいろ)………
かくて、「別に真犯人がいる」という被告(および弁護団)の主張は、崩壊する。
( → PC遠隔操作の真犯人は? )
ここでは、「被告以外には真犯人はいない」と結論した。この意味でも、私の見解はぶれていない。
( ※ 上記では「被告が真犯人である」とは断定していなかった。なぜかというと、このころは「冤罪だ」「被告は無実だ」というコメントがときどき来て、うるさかったからです。そういうコメントに対応するのが面倒だから、明言はしないでおきました。[言っている内容は同じだが。 (^^); ])
( ※ 本日でとうとう真犯人は確定したようなので、これで私に文句を言う人もいなくなるでしょう。よかった。ほっ。)
[ 余談 ]
「真犯人からタイマーによるメールが届いた」
という話は、私がすでに小話の形で書いたことがある。今回の事件は、私が書いたフィクションの通りになった、とも言える。まるで予言者だ。
そのフィクションは、下記にある。面白いので、ぜひ読むといいでしょう。
→ 真犯人が誤認逮捕を指摘
(今回の事実そのまんまですね。)
上記のように最新メールはただの別人と断定されていますが見解を改めたのでしょうか?
片山被告が真犯人を装って子どもの落書きレベルで送信した可能性はないんでしょうか?
> 上記のように最新メールはただの別人と断定
被告が別人を装ったのだから、その意味では「別人」ですね。私だって別人を装うことは可能だし。
少なくとも、同一人物としてふるまったわけではないことになります。
> 真犯人を装って子どもの落書きレベルで送信した可能性はないんでしょうか?
その通りです。「装った」ことになります。偽造ですね。(ねつぞう みたいなものだ。)
しかしまあ、私が前に「虚構」として書いたストーリーを、実際に実行するとは思わなかったな。私はジョークのつもりで書いたんだけど。まさか、ジョークを本当にやるとは。
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警視庁によりますと、先週木曜日、片山被告が東京・荒川の河川敷にスマートフォンを埋めるのを捜査員が目撃していて、スマートフォンからは片山被告のDNAも検出されたほか、同じ文言の送信済みメールが残されていたということです。警視庁は午後7時過ぎから自宅を家宅捜索するなど裏づけを進めています。
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20140519-00000048-jnn-soci
→ http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140519/t10014560941000.html
保釈取り消しを請求したということは、本人の所在をつかんでいるということ。行方不明になっているわけじゃないし、尾行をまかれたわけでもない。
仮に所在不明だとしたら、「保釈取り消しを許可されたのに、身柄を確保できない。どこにいるか不明です」ということで、オタオタするハメとなり、世論から袋だたきに遭うはずだ。それはありえない。
そもそも、尾行の段階で、刑事は二人一組で行動する。埋めたのを確認したら、本部に連絡して、「一人は尾行を続けろ。もう一人は埋めたものを確認しろ」という指示を受けるはずだ。(今は刑事だってケータイをもっているはずだ。)
常識的に言って、行方不明のはずがない。いくら何でも、それほど間抜けじゃあるまい。
あと、尾行をまくには、頭の回転が速くて、行動もすばやいことが必要だ。この被告は、そのどちらも満たさない。捜査一課の精鋭の尾行をまくのは不可能でしょう。(尾行には気づいていなかった、という可能性が最も高い。)
F-35についてまた議論するべきだ
省みるために